研究課題/領域番号 |
20K17593
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
武田 昌寛 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (50806164)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 腸管神経 / 腸管免疫 / 肛門解剖 / anorectal line / 直腸粘膜生検 / 発生 / 神経 / 免疫 / M細胞 / 組織透明化 / 蛍光イメージング技術 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒルシュスプルング病(以下H病)は無神経節腸管切除後にも難治性腸炎(以下H病腸炎)の合併率が低下せず、生命予後に関わる因子として、その病態解明が進められている。本研究はH病腸炎の病態解明を目的とし、H病モデルマウスを使用し、腸管神経系と免疫系の発生過程における制御機構の解明を行う。具体的には組織透明化技術とライブイメージング技術を使用し、腸管神経系と免疫細胞の相互の連携性を証明する。研究の成果は、H病腸炎における病態解明及び新たな治療標的の検証を可能にするだけでなく、解剖学、発生学、免疫学の発展にも寄与するものである。
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研究成果の概要 |
本研究は発生過程における神経系と免疫系の相互ワイヤリングに着目し、1)ヒルシュスプルング病(以下H病)の腸管組織透明化による三次元イメージング法の構築、2)H病におけるM細胞の形態学的観察、3)腸管神経末端における解剖学的検証に焦点をあて検証を行った。 H病マウスにおけるパイエル板は胎生期から出生7日までの期間いずれも極めて発達が未熟であり、形態学的観察が困難と結論付けた。また腸管神経系の解剖学的検証においては、ヒト検体を用い肛門部における腸管神経最末端の評価を行った。その結果、anorectal lineが腸管神経最終末端の基準線であることを確認し、新たな直腸粘膜生検法を確立するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により報告した新たな直腸粘膜生検法は、神経系および肛門解剖に基づいた新たな手法である。特に本手法は、ヒルシュスプルング病の病巣である無神経節腸管の肛門側の末端がどこまでかという、病態解明にも直結しており、ヒルシュスプルング病の診断および病態の観点から学術的に有意義な研究成果であったと考えられる。更に病巣の範囲を明確に特定することで、これまで術後合併症として扱われてきた内肛門括約筋アカラジアの存在および解明にも将来的に貢献できると考えられる。また本手法の採用により、これまで世界的にも診断方法が多岐にわたるヒルシュスプルング病において、診断率の向上が期待されることが社会的意義である。
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