研究課題/領域番号 |
20K17597
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
登尾 一平 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (00832007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 脱シアル化血小板 / HepG2細胞 / ERK1/2 / p38 MAPK / ERK / p38 / CD42b / Glycocalicin / 脱シアル化 / 血小板製剤 / 肝臓 / JAK2-STAT3 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、重炭酸塩が血小板活性化を増強することを発見し、保管血小板製剤中に血小板膜蛋白である glycocalicin (GC) が増加すること、老化マーカーである phosphatidylserine (PS) が陽性である血小板および microparticle (MP)が保管とともに増加し、凝固促進させることを見出した。本研究では、血小板製剤を用いて血小板表面に発現する PS を中心とした老化マーカーや 糖蛋白の機能を解析するとともに、老化血小板が肝細胞の再生を促進する分子メカニズムを明らかにし、肝疾患における新規分子標的治療薬開発のための基礎研究および新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、輸血用血小板製剤中の血小板が肝機能を改善させるメカニズムを解明することを目的としている。まず、保管血小板の血小板機能や表面マーカーなどの経時変化を解析したところ、脱シアル化血小板が経時的に増加することを見出した。さらに、脱シアル化血小板がヒト肝癌細胞由来株である HepG2 細胞に及ぼす影響を検討したところ、脱シアル化血小板添加により HepG2 細胞の増殖が促進され、HepG2 細胞内の ERK1/2 や p38 MAPK がリン酸化された。これらの結果より、脱シアル化血小板は肝細胞の増殖促進作用をもつ可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、肝再生に血小板が関与することは報告されているが、本研究により、血小板を保管することにより増加した老化血小板(脱シアル化血小板)が肝細胞の増殖を促進する効果があることが明らかとなった。これらの研究成果は、血小板または血小板製剤を用いた肝疾患に対する新規治療法につながる可能性があり、社会的意義は高いと言える。
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