研究課題/領域番号 |
20K17608
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
呉林 秀崇 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (10794589)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | prokineticin / 大腸癌 / 血管新生因子 / 分子標的薬 / 血管新生促進因子 / バイオマーカー / PROK2 / 抗腫瘍効果 / 抗体 / リキッドバイオプシー / 予後予測因子 / PROK-receptor2 / 抗PROK2抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌における最大の予後規定因子は肝転移であり血管新生因子が関与する.私たちはこれまでにPROK2が大腸癌細胞株に発現し血管新生因子として腫瘍形成に関わることを世界に先駆けて発見した.更にPROK2の発現やPROK-receptor2の発現が,大腸癌予後予測因子であることを見出している.これらの成果を発展させ,PROK2の大腸癌における役割と抗PROK2抗体による血管新生および腫瘍形成の抑制作用を解明する.本研究はPROK2を標的とした新規分子標的治療薬の開発やPROK2の新規バイオマーカーとしての役割の解明に向けて発展しうるものであり,実臨床への応用も期待できる.
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研究成果の概要 |
われわれはこれまでにPROK2が大腸癌の血行性転移に強く関わる因子であることを報告してきている。今回、PROK2の受容体であるPK-R2に対する抗体(抗PK-R2抗体)のマウスにおける検討では、腫瘍増生抑制効果があり、さらに肝転移抑制効果も認められた。さらに、リキッドバイオプシーを用いた血中PROK2発現の検討では、14.5%の陽性率であり、血中PROK2陽性例では有意に無再発生存率が不良であり、多変量解析でも血中PROK2陽性は独立再発予測因子であった。これらの検討より、大腸癌においてPROK2は新規治療標的因子および新規再発予測バイオマーカーとなりえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、大腸癌におけるPROK2をターゲットした抗PK-R2抗体療法の腫瘍増生抑制効果を示すことができ、新規分子標的治療薬としての可能性を示すことができた。更に肝転移抑制効果の結果から、この抗PK-R2抗体療法が肝転移抑制に有用な可能性が示唆され、現在術後補助化学療法での有効な分子標的薬は無いため、新規治療法の確立に寄与しうると考える。また大腸癌の再発予測因子があきらかになることは治療戦略の上で、非常に重要であり、今回の成果よりPROK2は治療薬と連動した有効なバイオマーカーに発展しうるものと考えられた。
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