研究課題/領域番号 |
20K17613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
美濃地 貴之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30850325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵島移植 / 皮下移植 / 再生医療 / 交互積層法 / iPS細胞 / 肝移植再生医療 / 膵移植再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、組織移植や臓器再生の試みが盛んに行われているが、個々の細胞レベルでの組織移植では、その機能は限定的であり、かつ長期生着を得ることは困難である。 本研究では、細胞ソースとしてiPSC由来肝細胞およびiPSC由来膵β細胞を用いて、細胞外マトリックスによる細胞積層技術(layer-by-layer法:LbL法)により、三次元肝・膵組織を立体構築し、それぞれの生体内における機能性と安全性について検討を行い、次世代の移植・再生医療への臨床応用を目指す予定である。
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研究成果の概要 |
1型糖尿病患者に対する膵臓移植や膵島移植に代わる再生医療の確立には,安全性の観点より,膵β細胞の皮下移植が望ましいものの,血流の乏しい皮下組織において生着を可能とするには,組織の血管化が課題である.今回,交互積層法を使用し,ヒト人工多能性幹細胞由来β細胞(以下β細胞)をによる血管化β細胞スフェロイド組織(血管化組織)を開発し,その機能を評価した.糖尿病化免疫不全マウスに対する血管化組織の皮下移植では,移植後に血糖値の有意な低下を認めた.免疫組織化学による評価では,摘出した血管化組織内において,レシピエント由来の血管の経時的な増加が認められ,血糖値改善の要因と考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、iPSC由来膵β細胞を用いて、交互積層法により三次元膵組織を作成し、生体内における機能性について検討を行い、次世代の移植・再生医療への臨床応用を目指すことを本研究の目的とした。本研究では、交互積層法を用いて構築した血管構造を伴う3次元ヒトiPSC由来β細胞スフェロイド組織を、糖尿病化免疫不全マウスに皮下移植を行った。血管構造を伴わない組織の皮下移植との比較により、随時血糖値およびグルコース負荷試験での血糖値の有意な低下を認めた。本結果は、同移植法が、安全な移植部位である皮下への新規移植法の開発に有用であり、1型糖尿病患者に対する再生医療の確立に向け、大きな意義を持つと考えられる。
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