研究課題/領域番号 |
20K17616
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀川 学 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70870335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ロボット手術 / 有触覚鉗子 / 触覚センサー / 触覚センサーを有する手術支援ロボット用鉗子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は触覚センサーを有する手術支援ロボット用鉗子の開発によって外科医にとってよりエルゴノミックな手術環境を整え、手術のアウトカムにフィードバックすることである。外科医のストレス値は眼電位から生体情報を経時的に検知・記録するメガネ型ウエアラブルコンピュータを用いて測定可能である。触覚センサーを有する手術支援ロボット用鉗子を作成し手術操作における外科医のストレス値および手術アウトカムの改善を評価する。
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研究実績の概要 |
手術支援ロボットの普及がすすみ、各消化器外科領域での新規適応および一部術式の保険診療点数の増加がみられる。特に振戦がない、多関節機能といった利点が注目され、一部の術式においては従来の内視鏡手術に勝る短期成績が報告される。いっぽう、その欠点として触覚が皆無であることがあげられる。今後のロボット手術の普及には、若手外科医でも容易に参画できるということが重要なポイントであり、触覚を伴ったロボット手術はこれらの問題を解決するブレイクスルーとなりうる。こういった点も踏まえ、包括的な本研究の目的は触覚センサーを有する手術支援ロボット用鉗子の開発によって外科医にとってよりエルゴノミックな手術環境を整え、手術のアウトカムにフィードバックすることである。我々が着目する触覚システムである本研究で導入予定のFingerVisionシステムはマーカーの微細な動きを捉えた小型カメラの画像を解析することで操作している物体の情報や動き(滑り・変形)といった情報を歪みとして捉え、触覚に換算する。このFingerVisionはすでにヒューマノイドロボットにおいて実績がありかつ比較的安価な、実現性の高いシステムである。これを応用してロボット手術用の有触覚鉗子を作成することは外科医の負担を減らし、質の高い医療を患者に還元できる点で非常に意義が高い。当該年度に実施した研究の成果としては、3Dプリンターを用いて簡易ロボット鉗子をデザイン・作成し、超小型カメラの実装に備える段階に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3Dプリンターを用いて作成した簡易ロボット鉗子先端に配置する小型カメラの策定に難渋した。特に円安の影響で価格が高騰しており、予算内に収まるものがない。 また、術中の外科医が感じるストレスを反映する、まばたき数、脈拍数、眼振の程度、体幹の揺れといった様々な被験者の生体情報を、眼電位センサーと体幹センサー搭載のメガネ型ウエアラブルコンピュータ(ジェイアイエヌ社JINS MEME)を用いて手術操作中の外科医から収集しストレスを評価する予定であるが、JINS MEME社のメガネ型ウエアラブルコンピュータがversion upし、再販となった。しかし以前のものと比べ簡素化され、期待される情報の収集が困難である可能性が高まった。
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今後の研究の推進方策 |
物質を把持した時に鉗子に加わる抵抗を、バルーンの膨張現象を利用することで触覚に置き換える技術が工業用ロボットで普及しており、小型カメラによる触覚再現からシフトする。
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