研究課題/領域番号 |
20K17635
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
項 慧慧 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 技師・研究員 (80869793)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 大腸がん / 転移性肝がん / 肝転移 / アルギナーゼ / 樹状細胞 / キラーT細胞 / アルギナーゼ1 / アルギニン / 消化器外科学関連 |
研究開始時の研究の概要 |
現在日本で大腸がん患者の死亡人数は年々増加傾向がある、先行研究で大腸がん細胞株を使用した担がんマウスモデルで、がん微小環境において尿素回路の代謝関連酵素の一つであるアルギナーゼの活性化を見出すとともに、アルギナーゼ阻害剤を投与することにより、抗腫瘍免疫の賦活と腫瘍形成が抑制されることを確認した。本研究では大腸がん肝転移マウスモデルを構築し、大腸がんの肝転移におけるアルギナーゼの作用効果を確認した。さらに大腸がん患者のアルギナーゼの発現レベルとがんの悪性化、転移との関連性について検証し、大腸がん・肝転移領域における、アルギナーゼを標的とした新規がん治療の確立に資する科学的エビデンスを蓄積する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、大腸がん肝転移巣マウスモデルを作出し、アルギナーゼ阻害剤を投与したところ、肝臓における転移巣形成が著しく抑制されるとともに、成熟型樹状細胞とパーフォリンおよびグランザイムBを発現する抗腫瘍エフェクターT細胞がより腫瘍組織内に浸潤した。本研究成果から、大腸がんにおいて、アルギナーゼの阻害は抗腫瘍免疫を賦活するだけではなく、転移巣形成を抑制する新たな治療標的となる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの再発・転移の制御は、がん疾患の克服において、非常に重要な課題の一つである。そこで本研究では、担がん生体でのアルギナーゼの活性化に着目し、大腸がんの肝転移巣形成におけるアルギナーゼの関与を確認した、大腸がんの転移巣形成を制御する新たな標的としての有用性を示した。アルギナーゼ活性化の阻害による抗腫瘍メカニズムを解明したにより、大腸がんの肝転移巣形成を制御する科学的エビデンスの蓄積たと考えられる。
|