研究課題/領域番号 |
20K17638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
下村 治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60808070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膵臓がん / 光免疫療法 / 糖鎖 / レクチン / 新規膵癌治療 / 光感受性レクチン融合薬 / 分子標的治療 / 神経叢浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、UVを照射した部位で抗癌作用を発揮するUV感受性レクチン融合薬を用い、局所に残存した膵癌細胞の制御を目指す。神経叢に浸潤したがん細胞も本レクチンで標的出来るかは未知であり、その反応性を確認する。次に膵癌モデルにおいてUV照射部位だけで殺細胞効果が発揮されるかを検証する。本研究は、申請者が開発に携わってきた新規膵癌治療法を発展させ、膵癌の局所再発を抑制しようという挑戦的な試みである。
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研究成果の概要 |
膵癌は外科切除しても約80%は腫瘍が残存するとされており、術後も高い確率で再発する。本課題では膵癌細胞に対して、膵癌細胞表面の糖鎖をターゲットとした新しい光免疫療法の開発を目指したものである。膵癌に反応するrBC2LCNレクチンに光感受性物質に抗がん剤(DOX)を添加したBC2-tamaDOXは、膵癌細胞株に対して添加して紫外線を照射した場合にのみ高い抗腫瘍効果を発揮することを確認した。更に効果を高めるため赤外線で殺細胞効果を発揮するIR700を融合したBC2-IR700は、膵癌細胞株、マウスモデルに対して薬剤投与+赤外線照射の場合に高い治療効果を発揮することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は依然として根治切除が唯一治癒へ導く手段であるが、根治切除後も80%以上で再発が確認され、切除後の高い癌細胞の遺残が考えられている。本研究では、遺残する動脈周囲神経叢に術中に、根治切除に加え追加治療が可能な新しい治療法の開発を目指した。我々が同定した膵癌糖鎖を標的としたがん治療法に光免疫療法の融合により、光を照射した部位に殺細胞効果が発揮される可能性がある新しい手法の可能性が見えてきた。今後、すでに臨床応用されている薬剤とレクチンとの融合により、より安全な治療法開発を継続する。本治療が可能となれば、膵癌の外科切除に加えてより強力な治療を加えることが可能となり、根治性が高まると考えている。
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