研究課題/領域番号 |
20K17640
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 菜実 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (40867272)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | YY1 / 大腸癌 / 転移 / ITGAV / ITGB1 / 肝転移 / Smurf2 / E3リガーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
当教室では現在ユビキチン-プロテアソーム系E3リガーゼSmad-ubiquitination regulatory factor2(Smurf2)に関し研究を進めている。E3リガーゼは高い基質特異性をもつため新規治療標的として期待される。近年、Smurf2がUPSを介してYY1をdegradationすることが報告された。YY1はNFkB/YY1/Snail loopを介して上皮間葉移行(EMT)を誘導し転移促進的に働くことが知られている。本研究では大腸癌肝転移におけるSmurf2-YY1 axisの機能解明を行い、EMT制御に焦点をあてた新たな治療戦略を構築する一助としたい。
|
研究成果の概要 |
本研究は大腸癌においてユビキチンプロテアソーム系(UPS)E3リガーゼSmurf2がUPSを介して転写因子YY1を分解し上皮間葉移行(EMT)を抑制することで腫瘍抑制的な働きをする可能性を検証することを目的とした。 臨床検体と細胞株を用いた検討では仮説に反しSmurf2・YY1・EMTの関連は低いと考えられた。ただしYY1について機能解析を進めると大腸癌細胞の遊走と浸潤を抑制し腫瘍抑制的機能をもつという結果が得られた。さらにマイクロアレイ解析によりYY1が細胞接着や癌転移に関連するインテグリンファミリーであるITGAVとITGB1遺伝子をdown regulationしていることが確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
残念ながらUPS系やEMTに焦点をあてた大腸癌の転移メカニズム解明という目的は果たせなかった。一方で、大腸癌においてYY1がITGAVとITGB1の遺伝子発現を調節することで腫瘍抑制的役割を果たすことを示唆するデータはこれまで報告されておらず、新たな知見である。今後さらなる検証を重ねることで大腸癌の新たな転移機構を解明する一助になることが期待される。
|