研究課題/領域番号 |
20K17646
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
徳山 信嗣 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00804890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大腸癌 / p53 / 癌抑制遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
p53を安定化するパイロットスクリーニングを行った際のヒット化合物について、既報の有無やp53特異的な抗腫瘍効果の評価、正常細胞に対する毒性評価を行う。作用機序の探索としてまずp53-Mdm2 interaction阻害作用について評価する。次に類縁化合物のアッセイより構造活性相関の探索を行い、活性を維持したBiotin化化合物の作成、同化合物を使用した作用分子の網羅的探索を行う。またfull libraryに対してスクリーニングを実施しさらなるシーズの探索や、変異型に対するスクリーニング系の構築を行う。
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研究成果の概要 |
p53タンパク寿命を指標とする独自のハイスループットスクリーニング系を構築した。この系を用いて小分子化合物ライブラリーでスクリーニングを行い68種のヒット化合物を同定した。内因性p53タンパクへの作用を評価し7種へと絞り込んだ。そのうち2種の化合物は同一の骨格を有し、今までにp53への作用の報告がない化合物であった。この化合物は大腸癌細胞株に対してDNA障害を起こさず、ユビキチン化を阻害することでp53タンパクを安定化した。プルダウンアッセイ、サーマルシフトアッセイではp53-MDM2結合阻害作用を示さず、MDM2阻害剤と異なる機序によって分解阻害による安定化がなされていることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦において大腸癌は罹患数・死亡数ともに上位に入る悪性腫瘍であり、進行再発病変に対する薬物加療は新たな薬剤の開発により延長しているとはいえ根治に至ることは困難でありさらなる分子メカニズムに基づいた治療の開発が望まれている。Pp53タンパク質を活性化するMDM2阻害剤が今まで報告されていたが血液毒性が問題となっており、新たな機序によるp53活性化剤の開発が期待されている。本研究で同定した化合物がその候補であり、またスクリーニング系を用いることでさらなる化合物ライブラリでの評価が可能となる。
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