研究課題/領域番号 |
20K17651
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
阿河 杏介 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70870343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 直腸癌 / 術前化学放射線療法 / CD8(+)T細胞 / 大腸癌 / 放射線治療 / CD8+T細胞 / 腫瘍微小環境 / バイオマーカー / 腫瘍免疫微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
直腸癌術前化学放射線療法(NACRT)の治療的課題は、病理学的完全奏効(pCR)率の向上である。免疫チェックポイント阻害剤との併用にその期待を集めるが、症例選択に有用なバイオマ ーカーはない。本研究はNACRT症例のうち、腫瘍免疫微小環境が良好に誘導される症例を絞り込むためのバイオマーカーの同定を目的とした研究である。マウス大腸癌放射線治療モデ ルにおけるCD8+T細胞の動態解析、直腸癌TLSの成熟度分析、末梢血中TIME関連バイオマーカーの同定を行い、直腸癌NACRTのpCR率向上のマイルストーンとしたい。
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研究成果の概要 |
マウス大腸癌放射線治療モデルを作成し、CD8+T細胞の動態解析を行い、腫瘍内CD8+T細胞の増加の再現を行った。疲弊の程度に合わせて、3つに分画に分類し、PD-1+Tim3+CD8+T細胞が著明に増加し、その分画におけるIFN-γ産生が増強していた。次に、大腸癌におけるTIMEの構成細胞の高精度検出を実現するため、直腸癌NACRT後の標本を用いて、染色を行いvirtual slideを作成した。それらの細胞を、AIにて識別させた。結果は、腫瘍におけるCD8+T細胞の数が再発率,組織学的奏功度に関係していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
直腸癌に対する術前化学放射線療法(NACRT)で組織学的奏功度を得ることは、治療成績の向上につながる。病理学的完全奏功(pCR)は予後良好であり、患者にとって大いなる福音となるが、現実的には、標準治療とはならず、一つのオプションに止まる。実際、pCR率は20%未満と低いことが要因といえる。NACRT後の腫瘍内CD8+T細胞の動態を解析することで、術前治療のより有用なバイオマーカーの開発にもつながり、さらにAIを用いた解析は、革新的な技術で多くの情報を迅速かつ客観的に取得することが可能となると考え、pCR率の向上を目指すために学問的にも意義深いの研究である
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