研究課題/領域番号 |
20K17653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
重安 邦俊 岡山大学, 大学病院, 助教 (70544071)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | RNA editing / 大腸癌 / 化学放射線療法 / ネオアンチゲン / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療において、「Cold tumor」を免疫原性の高い「Hot tumor」に変換することが、癌免疫療法の喫緊の課題である。 本研究では、「RNA編集」といわれるRNA転写後の塩基の修飾技術を用い、癌における新規の抗原(ネオアンチゲン)産生を誘導する。細胞傷害性T細胞の標的とすることで、Cold tumorをHot tumorへ変換し、免疫チェックポイント阻害剤の奏効率の向上を目指す。
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研究実績の概要 |
大腸がん(CRC)の多くはマイクロサテライト安定型(MSS)であり、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に対する奏効率が低いことがしばしば指摘されている。RNA編集は、アミノ酸配列を変化させることでネオアンチゲンを生成する。本研究では、化学放射線療法(CRT)によりRNA編集を人為的に誘導し、MSSのCRCにネオアンチゲンを生成させた。543例のCRC検体を系統的に解析し、ADAR1の発現パターンを検討した。また、in vitroおよびin vivoの実験も行った。マイクロサテライト不安定性のCRCでは、RNA編集酵素ADAR1の発現が上昇し、ICIとの高い親和性をもたらしていた。MSS CRCではADAR1の発現は低かったが、オキサリプラチン(OX)を含むCRTにより、ADAR1が誘導されRNA編集レベルが上昇した。免疫組織化学的解析により、CAPOX(カペシタビン+OX)放射線療法を受けたCRC患者では、手術のみで治療したCRC患者のADAR1発現と比較して、ADAR1の発現が上昇することが示された(p<0.001)。他のレジメンと比較して、OXを用いたCRTは、1型インターフェロンをトリガーとするADAR1の発現誘導を介して、MSS CRC細胞株(HT29およびCaco2、p<0.001)のRNA編集を効果的に誘導した。OXを用いたCRTは、ネオアンチゲン候補であるサイクリンIのRNA編集を促進した。OX-CRTレジメンによるRNA編集により、ネオアンチゲンを人為的に誘導することができる。CRTはRNA編集によりプロテオミクス多様性を促進することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験モデルの作成を行っているが、これまでin vitroの解析ではヒトの細胞株を用いてきた。マウスモデルではマウスの細胞を用いる必要があるため、この切り替えに時間を要し、全体の計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床サンプルの解析と細胞株を用いた実験は完了している。 今後は、マウスを使った動物実験モデルを行いたい。マウスの直腸癌細胞株によるマウスモデルを作成し、化学放射線療法を行い、RNA編集の誘導レベルを計測する。そののちに、抗PD-1抗体を併用する動物実験を行う予定である。
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