研究課題/領域番号 |
20K17655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松隈 聰 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (10634743)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 癌 / 膵癌幹細胞 / 免疫逃避機構 / 膵癌幹細胞様細胞 / Cathepsin B |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、がん組織中に少数存在し、既存の抗がん剤治療や放射線治療に抵抗性を示して、がんの再発、転移に関わるがん幹細胞に対する新規治療法開発を最終目的とする。人体にはがん細胞を含む異物を排除する免疫機構が存在し、これによりがん細胞も排除されている。しかし、がん幹細胞は細胞表面に免疫細胞を抑制する分子を発現したり、免疫を抑制する液性因子を分泌することで、がん患者さんの体内で免疫から逃れることで長期生存していると考えられており、本研究では、この点を明らかにする。 膵がん細胞株から誘導したがん幹細胞の免疫逃避機構について、主に免疫チェックポイント分子および可溶性免疫抑制物質の分泌の観点から検討する。
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研究成果の概要 |
独自のがん幹細胞誘導法を用いて、細胞株から膵がん幹細胞様細胞(P-CSLC)を得て、プロテオミクスによってP-CSLCに特徴的なタンパクとしてカルレティキュリン (CALR) とカテプシンB (CTSB) を同定した。P-CSLCからCALR高発現細胞をsortして解析した結果、CALR高発現細胞は低発現細胞と比較して、Sphere形成能、造腫瘍能が亢進し、HLAクラスI分子の発現が低下することが示された。また、P-CSLCにおいて高発現していた分泌タンパクCTSBの発現は、膵がん患者予後と相関することも示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、膵がん幹細胞様細胞 (Pancreatic cancer stem-like cell; P-CSLC) におけるカルレティキュリン (CALR) の細胞表面移行によってHLAクラスIの細胞表面発現も低下することが示され、P-CSLCにおける免疫逃避機構の存在が示された。また、P-CSLCに特徴的なバイオマーカーとして分泌たんぱくであるカテプシンB (CTSB) を同定し、膵がんにおけるCTSB発現が膵がん患者予後と相関することが示され、本研究から学術的・社会的に意義のある成果が得られた。
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