研究課題/領域番号 |
20K17659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
竹本 健一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40826038)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 大腸癌 / 癌幹細胞 / イオン輸送体 / カルシウムチャネル / 細胞容積 / 低浸透圧 / イオンチャネル / カルシウムイオン / 低浸透圧刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
当研究室ではこれまで、種々の消化器癌細胞株における低浸透圧刺激による細胞破壊効果がみられ、調節性細胞容積減少(RVD)による細胞防衛メカニズムがあり、阻害薬によるRVD抑制が可能であることを確認してきた。 本研究では、RVDで重要な役割を持つカルシウムイオン輸送体と、転移・再発や化学療法抵抗性の主要因となる大腸癌幹細胞に着目した。カルシウムイオン輸送体(特にL-type VGCC等)の発現機能解析やブロッカー等による制御により、癌幹細胞のRVDが抑制されることで低浸透圧細胞破壊が促進されるという実験仮説を検証し、癌幹細胞に対する低浸透圧細胞破壊療法という斬新な治療概念を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
大腸癌細胞株より癌幹細胞を分離し、遺伝子発現の特徴について網羅的遺伝子解析法で解析を行った。結果として、電位依存性に開閉、カルシウムイオンが透過するVGCCが高発現していた。低浸透圧刺激による細胞の容積変化にもVGCCは関与するため、低浸透圧刺激を加えて容積や生存性の評価を行うと、細胞の容積増大が抑制されており、結果として低浸透圧刺激を与えた際の生存性が高いことがわかった。さらに、低浸透圧に加えイオン輸送体の阻害剤を併用すると、カリウム、水チャネル阻害剤が強く低浸透圧による容積増大を抑制することがわかった。癌幹細胞のVGCCや、低浸透圧刺激療法は有効な可能性があり、さらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌幹細胞に対する標的治療は再発予防や、治療抵抗性などの回避を目指し研究が盛んに行われており、今回我々が発見したVGCCや、低浸透圧刺激に対する耐性は、標的治療の開発を行う上での契機となる可能性がある。VGCCを標的とした薬剤の投与や、癌幹細胞のイオン輸送体阻害下で低浸透圧刺激を加える手法で癌細胞特異的治療が可能となれば、新たな制癌治療の開発につながると考えられる。
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