研究課題/領域番号 |
20K17660
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 顕志 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30812341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CD200 / 膵胆道癌 / 癌免疫療法 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 胆膵癌 / 治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
胆膵癌の切除標本を用いて,免疫染色,Real-time PCR,ELISPOT等の免疫学的・分子生物学的手法によりCD200発現と予後や局所腫瘍免疫との関係を検討する.胆膵癌細胞株を用い,CD200発現とsiRNAの手法でCD200をknockdownし,in vitro/in vivoでの抗腫瘍効果及び機序を解明する.In vivoにおいては,マウス皮下腫瘍モデルを用いて腫瘍局所の免疫活性を評価し,腫瘍特異的T細胞の誘導に対するCD200の関与を検討する.治療抵抗性獲得機構を制御することにより既存治療と免疫療法各々の抗腫瘍効果を最大限引き出すという臨床に即した集学的癌免疫治療戦略の礎を築く.
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研究成果の概要 |
胆膵癌切除標本におけるCD200,CD70,CD155など候補分子の腫瘍内発現と臨床病理学的因子や予後との関連を免疫染色で検討した.膵癌の原発巣とその各種転移巣において各種分子の発現と腫瘍内浸潤CD4+/CD8+T細胞, CD45RO+メモリーT細胞,FOXP-3等の腫瘍内浸潤免疫担当細胞発現と臨床病理学的因子との関連を分析し,免疫チェックポイント発現の腫瘍微小環境局所内での意義を検証した. 膵癌肺転移巣では腫瘍浸潤リンパ球数が有意に多く,抗腫瘍免疫が活性化していると考えられた.また,肺転移巣はPD-L1及びTILsが高発現しており,免疫チェックポイント阻害薬の有効性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胆膵癌は他の消化器悪性腫瘍と比較して予後不良であり,新規治療標的分子の同定と,既存の化学療法レジメンの有効活用を図ることが早急に求められている悪性腫瘍の代表である.近年,癌治療における新たな潮流として免疫療法が注目されており,そのターゲットとしてT細胞不活化経路があげられる.免疫回避機構 には複数の分子の関与が示唆されているが,本研究の結果,膵癌肺転移巣では免疫チェックポイント阻害薬等による制御が個別化治療として有効である可能性が示唆された.
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