研究課題/領域番号 |
20K17661
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
西口 由希子 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40867727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | シスプラチン / 胃癌 / HMGB1 / 薬剤耐性 / 酸化HMGB1 / 糖化HMGB1 / CML-HMGB1 / タンシノン / エチルピルビン酸 / 酸化型HMGB1 / RAGE / デオキシコール酸 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌の化学療法においてシスプラチンは中心的な薬剤のひとつであるが、その感受性は症例により差異があり、感受性の予知および増強法を開発することは胃癌の予後改善に重要である。申請者は、シスプラチン耐性にHMGB1高発現が有意に相関することを見出したが、発現抑制やシグナル阻害では核内HMGB1のDNA修復機能を抑制できなかった。本研究では、DNA修復機能を有する核内HMGB1を選択的に阻害する方法を検討し、シスプラチン耐性を解除する補助的治療法の基礎的知見を得ることを目的とする。本研究の結果はシスプラチンの奏効性を高め、胃癌の治療成績の向上につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
HMGB1はシスプラチン耐性をもたらす重要な因子である。本研究ではHMGB1の標的化によりシスプラチン耐性を改善する試みを行った。デオキシコール酸は核内HMGB1を低下させシスプラチン耐性を改善した。ナイーブHMGB1に比較し酸化HMGB1で活性が高く、糖化HMGB1(CML-HMGB1)はさらに強い活性を示した。これに対して、エチルピルビン酸やタンシノンによりHMGB1分泌抑制すると、CML-HMGB1によるシスプラチン耐性は抑制された。これらのことから、HMGB1とくにCML-HMGB1を標的化することはシスプラチン耐性の克服に重要であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌の化学療法においてシスプラチンは中心的な薬剤のひとつであるが、その感受性は症例により差異があり、感受性の予知および増強法を開発することは胃癌の予後改善に重要である。申請者は、シスプラチン耐性にHMGB1高発現が有意に相関することを見出したが、発現抑制やシグナル阻害では核内HMGB1のDNA修復機能を抑制できなかった。本研究では、DNA修復機能を有する核内HMGB1を選択的に阻害する方法を検討し、シスプラチン耐性を解除する補助的治療法の基礎的知見を得ることを目的とする。本研究の結果はシスプラチンの奏効性を高め、胃癌の治療成績の向上につながることが期待される。
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