研究課題/領域番号 |
20K17669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 大作 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60571396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膵癌 / 集学的治療 / バイオマーカー / subclinical tumor / リキッドバイオプシー / micro RNA / 補助化学療法 / 門脈血 / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は膵癌治療に有用な新たなバイオマーカーを同定するため,血中のmicroRNAに注目し,以下の3段階を踏んで検討を行う. ①膵癌切除症例から膵癌細胞および手術中に末梢血・門脈血を採取して腫瘍から分泌するエクソソームを抽出し,内包するmicroRNAおよび蛋白を抽出しておく.また膵癌症例の術後経過を観察し,3年間の再発の有無,再発形式について情報を集める. ②得られた情報をもとにmicroRNAを網羅的遺伝子解析にかけて比較検討を行う.臨床結果と対比させ様々な検討を行い,バイオマーカーとなりうる候補遺伝子を選定する. ③②までで得られた候補遺伝子について切除標本および基礎実験で検証を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では画像診断でとらえられない膵癌のsubclinical腫瘍をモニタリングするバイオマーカーの開発を目標とした. 術後保存血液サンプルを用いてmicro RNA(miR)の網羅的発現検索を行い,その臨床経過からsubclinical tumorの有無及び化学療法の感受性のマーカーとなりうる候補遺伝子群を選出した.また膵癌細胞株を用いて抗癌剤感受性と関わる遺伝子群を抽出し,結果を統合して候補遺伝子の内,抗癌剤感受性に関与する遺伝子群を多く標的としているものを選定し,miR26a-5pを有用なバイオマーカー候補と同定した.膵癌細胞株及び他の血液サンプルにて検証し,有用である可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では画像診断でとらえられない膵癌のsubclinical腫瘍に対する治療効果モニタリングに有用な診断ツールを開発することで,最適な治療を過不足なく行える,個別化した膵癌集学的治療の確立を最終目標としている. 本研究では,subclinical腫瘍に対する治療である術後補助化学療法について着目し,その治療効果をモニタリングできる可能性のある候補遺伝子バイオマーカーを同定し,発表した.この結果は膵癌集学的治療をより効果的に運用できる可能性がある.
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