研究課題/領域番号 |
20K17671
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
吉田 枝里 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20648886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 4-methylumbelliferone / PD-L1 / gastric cancer / 4-メチルウンベリフェロン / 胃癌 / 間質制御 / 抗癌剤 / 抗体治療 / ヒアルロン酸合成阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
MUはヒアルロン酸合成を特異的に抑制し、その結果間質が粗造化されて抗癌剤の細胞内移行性が高まることが認められている。そこで、MUを既存の抗癌剤、抗体と同時に投与し、抗癌剤の作用および抗体の作用を増強させることで効果的な治療ができると考えた。MUは以前利胆剤とし発売されていた実績があり、他の新薬に比べ臨床応用も短期間で可能である。ヒトへの投与を見据えてMUの至適濃度、投与スケジュール、副作用の出現とその頻度、抗癌剤、抗体との併用におけるその至滴投与濃度について明らかにする。
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研究実績の概要 |
OCUM-1/ CMV-Luc胃癌細胞株に対して使用薬剤の効果を検討するためにMTTasseyを用いてPDL-1、MU投与下での生細胞数を検討した。MU0.3mM,MU0.5mM、5-FU、PDL-1抗体試薬を用いた。腫瘍抑制率=(1-抗癌剤接触群の吸光度/対照群の吸光度)×100(%)とし、有効、無効判定は抗癌剤でカットオフ値を定めた。MUは50%をカットオフ値とした。MU0.5mMにおいて抗癌剤と同等の有効値となった。5-FU 、PDL-1抗体投与群においてMUとの併用で腫瘍抑制率の上昇が認められた。OCUM-1/ CMV-Luc胃癌細胞株を移植したNOGマウスで胃癌の担癌モデルを作成した。OCUM-1/ CMV-Lucを4×106個/0.2mlに調整し、マウスの左背部皮下に注射し、腫瘍形成を確認した。その後2群に分け、1群ではMUを経口投与した。14dayにてマウスの皮下腫瘍を摘出し、免疫染色を施行した。両細胞株にてCD44発現、PDL-1の発現を認めた。また、HAの免疫染色ではOCUM-1、CMV-LucにおいてHA染色の高発現を認めた。MU処理群においてはCD44の発現は変化なく、PD-L1の減少を認めた。MU処理群においてアポトーシスの所見を認めた。電子顕微鏡において、MU処理群でアポトーシス、間質の粗造化を認めた。 また、腫瘍切片においてヒアルロン酸の定量を施行した。MU処理群において含有HA量の減少を認めた。上記処理マウス群において、さらに免疫細胞の移植、PD-L1抗体の投与を試みた。OCUM-1/ CMV-Lucを4×106個/0.2mlに調整し、マウスの左背部皮下に注射し、腫瘍形成を確認した。その後2群に分け、1群ではMUを経口投与継続した。ブスルファン30㎎/kgを投与し、その後hCD34+ HSCを静脈より投与し、day28でリンパ球の出現を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
胃癌細胞担癌NOGマウスのMU処理群の確立は可能であった。その後、担癌+造血幹細胞移植でTcell分化を確認した幹細胞移植マウスモデルの確立中である。
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今後の研究の推進方策 |
担癌NOGマウスに造血幹細胞を移植、Tcellリンパ球分化を確認する。その後PD-L1抗体を投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討する。その後腫瘍を摘出し、腫瘍内Tcell浸潤の増加を確認する。サクリファイス字に採血施行し、各MUによる血液障害、皮膚障害などの副作用の発現の有無を検討する。
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