内分泌細胞由来大腸癌に対する新規治療法の探索

• 研究課題/領域番号: 20K17687
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分55020:消化器外科学関連
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 向山 順子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70734987)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• 研究課題ステータス: 交付 (2022年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: 大腸癌 / 内分泌細胞 / 細胞系譜 / 最適化治療

研究開始時の研究の概要

大腸癌による死亡数は増加の一途にある。死因の大半は転移や再発によるものであり、これらの制御機構の解明は、予後改善のための重要課題である。近年、大腸癌の予後が不良なサブタイプとして内分泌系細胞を起源とする大腸癌が注目されている。本研究では同大腸癌の細胞系譜と悪性化の分子機構の解明を目指し、最適化治療の確立を行う。本研究の成果は同大腸癌の最適化治療の早期の臨床応用や治療成績の向上に貢献できる。

研究実績の概要

近年、腸管の内分泌系細胞を起源にもつ大腸癌が、大腸癌の予後が不良なサブタイプとして注目されている。一つの大腸癌組織にも多数のサブクローンが存在し、転移や治療抵抗性などの性質の決定に関わることが示されつつあり、転移再発能の根幹にある分子機構の解明のためには、同大腸癌を構成する癌細胞の単細胞レベルでの解析が必要となる。本研究では内分泌細胞を起源とする大腸癌の細胞系譜解析により、固形癌では初となる細胞系譜に基づく最適化治療の確立を行う。
今年度は内分泌由来大腸癌の臨床的に有用な新規バイオマーカーの同定を行うために、多項目測定用ELISAキット(Human Luminex Assay, R&D Systems)を用いた血液サンプルの解析を行った。また、免疫組織学染色により、遠隔転移のある内分泌細胞由来大腸癌の予後規定因子の探索を行った。
現在はマーカー候補を同定し、Validation cohortとして症例数を増やし、マーカー候補を単項目測定ELISAキットで解析している。これまでの研究の成果は、日本外科学会、日本消化器外科学会等の学術集会で発表し、現在は論文の投稿準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の進捗は比較的順調であった。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りに研究を遂行する。

研究成果

• [国際共同研究] Columbia University(米国)
• [国際共同研究] Columbia University/Stanford University(米国)
• [国際共同研究] Columbia University(米国)
• [雑誌論文] Upregulation of BMI1-suppressor miRNAs (miR-200c, miR-203) during terminal differentiation of colon epithelial cells (2022)
  • 著者名/発表者名: Hisamori Shigeo、Mukohyama Junko、Koul Sanjay、Hayashi Takanori、Rothenberg Michael Evan、Maeda Masao、Isobe Taichi、Valencia Salazar Luis Enrique、Qian Xin、Johnston Darius Michael、Qian Dalong、Lao Kaiqin、Asai Naoya、Kakeji Yoshihiro、Gennarino Vincenzo Alessandro、Sahoo Debashis、Dalerba Piero、Shimono Yohei
  • 雑誌名: Journal of Gastroenterology 巻: Online ahead of print 号: 6 ページ: 407-422
  • DOI: 10.1007/s00535-022-01865-9
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Upregulation of BMI1-suppressor miRNAs (miR-200c, miR-203) during terminal differentiation of colon epithelial cells. (2022)
  • 著者名/発表者名: Shigeo Hisamori, *, Junko Mukohyama*, 6yt5Koul Sanjay, Takanori Hayashi, Michael E. Rothenberg, Masao Maeda, Taichi Isobe, Luis E. Valencia Salazar, Xin Qian, Darius M. Johnston, Dalong Qian, Kaiqin Lao, Naoya Asai,, Yoshihiro Kakeji, Vincenzo A. Gennarino, Debashis Sahoo Piero Dalerba, Yohei Shimono
  • 雑誌名: Journal of Gastroenterology 巻: in print
  • 国際共著
• [雑誌論文] Structural basis of cytokine-mediated activation of ALK family receptors (2021)
  • 著者名/発表者名: De Munck Steven、Provost Mathias、Kurikawa Michiko、Omori Ikuko、Mukohyama Junko、Felix Jan、Bloch Yehudi、Abdel-Wahab Omar、Bazan J. Fernando、Yoshimi Akihide、Savvides Savvas N.
  • 雑誌名: Nature 巻: 600 号: 7887 ページ: 143-147
  • DOI: 10.1038/s41586-021-03959-5
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Simple Cancer Stem Cell Markers Predict Neoadjuvant Chemotherapy Resistance of Esophageal Squamous Cell Carcinoma (2021)
  • 著者名/発表者名: AGAWA KYOSUKE、YAMASHITA KIMIHIRO、NAKAGAWA AKIO、YAMADA KOUTA、WATANABE AKIHIRO、MUKOHYAMA JUNKO、SAITO MASAFUMI、FUJITA MITSUGU、TAKIGUCHI GOSUKE、URAKAWA NAOKI、HASEGAWA HIROSHI、KANAJI SHINGO、MATSUDA TAKERU、OSHIKIRI TARO、NAKAMURA TETSU、SUZUKI SATOSHI、KAKEJI YOSHIHIRO
  • 雑誌名: Anticancer Research 巻: 41 号: 8 ページ: 4117-4126
  • DOI: 10.21873/anticanres.15214
  • 査読あり
• [学会発表] CDX2低発現大腸癌の腫瘍生物学的特徴の検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: CDX2低発現大腸癌の腫瘍生物学的特徴の検討
  • 学会等名: 第77回日本消化器外科学会総会
• [学会発表] DX2低発現大腸癌に対する最適化治療の確立に向けた研究 (2021)
  • 著者名/発表者名: 向山順子, Piero Dalerba
  • 学会等名: 第121回日本外科学会定期学術集会, 外科学再興シンポジウム13
  • 招待講演
• [学会発表] miR-221 targets QKI5 and enhances functional behaviors of cancer stem cells in human colon cancers. (2021)
  • 著者名/発表者名: Junko Mukohyama, Osamu Itano, Yoshihiro Kakej, Yohei Shimono.
  • 学会等名: International Colorectal Research Summit (ICRS)
  • 国際学会
• [学会発表] CDX2 as a prognostic and predictive biomarker in colon cancer. (2020)
  • 著者名/発表者名: Junko Mukohyama, Piero Dalerba
  • 学会等名: 第79回日本癌学会総会
  • 招待講演