研究課題/領域番号 |
20K17697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
三宅 謙太郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (40856283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | メチオニン / 膵癌 / JAK2/STAT3 pathway / プロテオーム解析 / TRAIL-R2 |
研究開始時の研究の概要 |
多くのヒト腫瘍細胞は正常細胞に比して必須アミノ酸であるメチオニン依存性が高い。 メチオニン制限は腫瘍細胞のアポトーシス誘導、細胞周期の可逆的停止を引き起こす。 しかしその機序は完全には解明されていない。我々は既にin vitroでメチオニン制限が膵癌細胞のTNF-α関連アポトーシス誘導リガンド受容体(TRAIL-R2)発現量を増加させることを確認しており、本研究ではメチオニン制限と抗TRAIL-R2抗体の併用効果を検証し、新たな膵癌治療の開発、臨床応用への研究基盤を確立する。さらに、プロテオーム解析によってメチオニン制限が膵癌細胞にもたらす分子生物学的変化を解析し、新たな治療標的を模索する。
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研究実績の概要 |
多くの悪性腫瘍では正常細胞に比して、その増殖に必須アミノ酸であるメチオニンを要することが知られており、このメチオニン依存性は"ホフマン効果"と呼ばれている。 膵癌細胞においても他の悪性腫瘍同様、メチオニン依存性を有することが知られているが、抗腫瘍効果を示すその詳細な機序は未だ明らかではない。3種類の膵癌細胞株を用いてメチオニンフリーの培養液と通常培養液の2群でその増殖を比較したところ、メチオニンフリーの培養液で培養した細胞株は通常の培養液に比してその増殖能が有意に低下することが示された。その詳細なメカニズムを解明するために、プロテオーム解析・IPA解析を用いて2群間の蛋白発現の差を検証したところ、メチオニン制限は膵癌細胞株において、JAK2/STAT3経路を抑制していることが示唆された。さらに、JAK2/STAT3 pathwayに関与するNF-kBに関して、同様に3種の膵癌細胞株でメチオニン制限によりその発現量が減少していることが確認できた。また、膵癌皮下腫瘍モデルにおいてもメチオニン制限は単独でも抗腫瘍効果を示した。また、切除検体を用いた免疫組織学的染色ではSTAT3発現がメチオニン制限によって減少していた。 以上から、メチオニン制限はJAK2/STAT3 pathwayを抑制することで膵癌細胞株の増殖抑制を示している可能性が示唆された。今後さらなる細胞株や臨床検体を用いた検証が必要である。本年度論文投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
治療前後の血液検体採取のための追加の動物実験を行う必要があり昨年度には追加実験が間に合わなかったため、本年度追加予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に追加の動物実験を行い、論文Acceptを見込んでいる。
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