研究課題/領域番号 |
20K17713
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 修作 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10838585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 重症下肢虚血 / arteriogenesis / Notchシグナル / 再生医療 / 細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
有効な治療法が限られる重症下肢虚血患者は増加しており再生医療に強い期待が持たれているが、未だ重症例では治療効果が十分ではなく治療効果の高い細胞の開発が大きな課題であると考えられる。我々はNotchシグナルに関する遺伝子の改変を行った間葉系幹細胞(SB623)が系の大きい動脈の発生(Arteriogenesis)を誘導することで重症下肢虚血に対して高い血流改善が得られるという仮説を立てた。この細胞の治療効果とそのメカニズムを動物実験モデルで証明することで、重症下肢虚血に対してより高い治療効果をもつ細胞治療を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
Arteriogenesisは径が太い側副血管の誘導を指し、重症下肢虚血に対する有効な治療効果が期待される。本研究では下肢虚血ラットモデルに対するNotchシグナル遺伝子改変間葉系幹細胞移植において、虚血肢にArteriogenesisを誘導し組織血流を改善させることを仮説とした。Sprague-Dawleyラットの左後肢大腿動脈を結紮し下肢虚血モデルを作成した。虚血誘導後1週目に1×105個のNotchシグナル遺伝子改変間葉系幹細胞(SB群、n=13)およびPBS(コントロール群、n=12)を筋肉内に投与し、その後4週間目までにレーザードプラー血流計を用いて虚血下肢の血流量(虚血肢/健側肢×100%)の評価を行った。その結果、SB群の虚血肢の組織血流の有意な改善を認めた(血流量,SB群:69±13% vs.コントロール群:56±13%,p=0.03)。さらに、治療4週間後の組織学的検討ではαSMA/vWFの陽性かつ径が15μm以上の血管数(arterioles,12±3/mm2 vs.5±1/mm2,p<0.01)は有意な増加を認めた。さらにin vitroで血管内皮細胞をNotchシグナル遺伝子改変間葉系幹細胞と共培養し、その遺伝子発現をRNAシークエンスにより解析した。その結果、血管内皮細胞においてNotchシグナル経路に加えて、fluid shear stressに関する経路などArteriogenesisを誘導する可能性のある複数の経路の発現増加を認めた。下肢虚血ラットモデルに対するNotchシグナル遺伝子改変間葉系幹細の投与はArteriogenesisを誘導し、虚血肢の血流を改善させることが示唆された。
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