研究課題/領域番号 |
20K17733
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
眞島 涼平 久留米大学, 医学部, 助教 (60811073)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | T細胞 / 大動脈解離 / Foxp3 / 脂肪組織 / 脂質代謝 / FAK / 制御性T細胞 / Syk |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈解離は大動脈中膜が突然破綻する致死的疾患である。病態はほとんど解明されていない。申請者は接着斑キナーゼ (Focal adhesion kinase: FAK) がT細胞、B細胞の分化・ 成熟を促進し解離を進展させることを見出したことから、大動脈解離における免疫機能に着眼した。本研究では「免疫の司令塔」であるT細胞が大動脈解離病態を統合的に制御するとの仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は免疫の司令塔であるT細胞に着目し、解離の病態との関連を調査した。我々はβ-アミノプロピオニトリルおよびアンジオテンシンIIの持続注入により大動脈解離のマウスモデルを作成した。免疫抑制分子Sykの阻害薬を投与した解離モデルマウスの大動脈組織に対して遺伝子解析を行った。その結果、制御性T細胞のマスター転写因子であるFoxp3が有意に抑制されていた。傍大動脈脂肪組織に対する遺伝子解析により解離発症前に傍大動脈脂肪組織では顕著な免疫応答の変動が起こっていた。解離病態において大動脈組織と傍大動脈脂肪組織は空間的に近接しており、1つの免疫応答システムとして働いていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大動脈解離は大動脈中膜が突然断裂する致死的疾患である。社会的責任が大きくなる50代以上の男性に多く発症し、突然死を来すことがあるが、外科的治療の他に積極的な内科治療は存在しない。本研究の結果により、解離刺激条件下において、Foxp3は解離に抑制的に働く可能性があること、解離病態において大動脈組織と傍大動脈脂肪組織は1つの免疫応答システムとして働いていることが示唆された。
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