研究課題/領域番号 |
20K17735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
角田 宇司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (50869659)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 心房細動 / f波 / メイズ手術 / 心房リモデリング / miRNA / F波 / 心房電位 / マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動に対するMaze手術は、術後の洞調律維持と脳血管合併症予防、QOL向上のために,確立された治療法であり、世界的なガイドラインで推奨されている。Maze手術後の心房細動再発を予測する因子として,AF罹患年数と左房径もしくは左房容積の重要性が報告されているが,国立循環器病研究センターではf波波高に注目しその重要性をこれまで報告してきたが,そのエビデンスはまだ乏しい.本研究は術中の右房・左房電位を実際に測定し,また切除された左心耳の線維化の程度とマイクロRNAを測定することでf波波高と心房リモデリングならびにMaze術後成績の関係性を明らかにするものである.
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研究成果の概要 |
最も頻度の高い不整脈である心房細動の治療にメイズ手術があるが、その成功率は心電図の形態(f波)により変化することが知られている。しかしそのエビデンスは乏しくf波が何を反映しているのかについて一定の見解はない。本研究はf波と心房電位、線維化率、遺伝子変化の関連性を明らかにするものである。研究結果として、f波高の減弱は、心房の線維化増加のみならず心房電位の低下、心房細動の発生に関連する遺伝子変化と相関性を持つことが明らかとなった。f波は通常の心電図にて非侵襲で測定できる簡便な指標であるため、その測定により心房の状態が推測できることは、心房細動の治療を正確に行うために重要な意味を持つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心房細動は高齢化社会において増加傾向にあり、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、適切な治療が必要である。f波は、心電図検査で簡単に測定できるため、この研究結果は心房細動の治療においてより正確な診断と治療法の選択を可能にし、患者の生活の質を改善することができると考えれる。また学術的意義として、心房細動の治療においては、f波がどのように心房電位、線維化率、および遺伝子変化に影響を与えるかについて、理解を深めることが可能となった。この研究は、f波と心房細動の発生に関連するさまざまな要因を統合的に分析し、心房細動の治療に新しい展望を提供でき、また今後の研究進展に寄与することができると思われる。
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