研究課題/領域番号 |
20K17746
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
名越 章裕 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90860297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CKAP4 / exosomes / lung cancer / biomarker / エクソソーム / 肺がん / 腫瘍マーカー / がん診断 / ELISA |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌は全癌種のうち死亡者数第1位であり、肺癌の治療成績向上は喫緊の課題となっている。しかし、現状では肺癌に対する迅速かつ簡便な診断方法は確立されていない。CKAP4(cytoskeleton-associated protein 4)は、膵癌・肺癌の細胞膜に発現し、腫瘍細胞増殖促進に関与するタンパク質である。近年、CKAP4が細胞膜からエンドソーム内に取り込まれ、エクソソームとして細胞外に分泌されることが分かってきた。本研究では、肺癌におけるCKAP4分泌の分子メカニズムを解き明かすとともに、肺癌患者の血中CKAP4濃度を解析し、腫瘍マーカーとしての有用性を明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
抗CKAP4抗体を用いたサンドイッチELISA法で、肺癌患者および年齢性別をマッチさせた健常人それぞれ92名の血清CKAP4濃度を測定したところ、肺癌患者(19.6%)においては健常人(6.5%)と比して、有意に血清CKAP4陽性(≧ 0.1 ng/mL)率が高いことが分かった。また、抗CKAP4抗体はヒト肺癌細胞株の増殖抑制作用を示した。 その作用は、EGFR 変異を持つヒト肺がん細胞に対しては、既存のEGFR阻害薬(Osimertinib)と併用することで増強されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌患者では健常人に比べて有意に血清CKAP4濃度が高いことから、血清CKAP4濃度をサンドイッチELISA法で測定することで、肺癌診断が可能となる可能性が示唆された。同時に抗CKAP4は単剤および既存の抗癌剤との併用で、ヒト肺癌細胞の増殖を抑制した。以上の結果から、肺癌においてはCKAP4が新規診断マーカーと共に治療標的分子となり得ることが示唆された。
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