研究課題/領域番号 |
20K17747
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
塩谷 俊雄 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90851246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高ヒスチジン糖タンパク質(HRG) / 間質性肺炎 / 肺移植 / 原発性移植片機能不全(PGD)) / バイオマーカー / 新規治療法 / 虚血再灌流障害(IRI) / 肺線維症(IPF) / 原発性移植片機能不全(PGD) / 新規治療 / 肺線維症 / ブレオマイシン / 高ヒスチジン糖タンパク質 / 早期移植肺機能不全 / 慢性肺移植片機能不全 / 肺障害 |
研究開始時の研究の概要 |
肺線維化は慢性炎症により、様々な炎症関連分子が関与することが報告されている。 当施設では炎症性サイトカインを抑制する、高ヒスチジン糖タンパク質(Histidinerich glycoprotein, HRG)の研究を精力的に行っており、HRGがTNF-α・IL-6の発現を抑制するという知見を得た。この知見にヒントを得て「抗炎症タンパク質であるHRGが肺の線維化を抑制する」という仮説を立てた。本研究では、HRG-TNF-α・IL-6-miR21-TGF-βの分子シークエンスに着目し、線維化をきたす肺疾患に対する新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、(1)肺線維症(IPF)患者における血漿中の高ヒスチジン糖タンパク質(HRG)濃度の測定と、(2)肺移植後原発性移植片機能不全(PGD)における血漿中のHRG濃度の測定、(3)マウス虚血再灌流障害(IRI)モデルを用いた急性肺障害におけるHRG濃度の測定を行った。(1)血漿HRGはIPF患者で低下していた。(2)重症PGD患者においても血漿HRG濃度は低下しており、(3)マウスIRIモデルにおいてもHRG濃度は低下していた。ヒト由来HRGの補充は急性肺障害および慢性肺障害における新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間質性肺炎は慢性炎症による肺疾患の一つであり、現在TGF-β等を標的とした抗線維化薬をはじめ、複数の薬剤による治療が行われるが、その治療法は確立しておらず、肺線維化を引き起こす経路を標的とした治療法の確立が急務とされている。また、間質性肺炎の最終的な治療として肺移植が行われるが、肺移植後の原発性移植片機能不全は、肺移植後に発症する急性肺障害であり、肺移植の予後を妨げる一因となっている。本研究成果により、高ヒスチジン糖タンパク質の補充療法が間質性肺炎や原発性移植片機能不全の新規治療法として応用できる可能性がある。
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