研究課題/領域番号 |
20K17750
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
清水 勇輝 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20789482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺胞上皮細胞 / 過伸展刺激 / 肺胞隔壁増生 / 伸展刺激 / septation / 肺再生 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に、肺は生体内にて再生をしない臓器として知られている。近年、iPS細胞などを用いた再生療法についての研究がなされているが、非常に複雑な機能や構造を有しているため肺における再生医療の実現は難しい現状である。その一方で、肺切除を実施した際に残存肺において代償性肺再生とされる現象が起こることが報告されていることから、成体においても一定の条件が整えば失われた肺組織が再生する可能性があると考えられる。したがって、人為的に成体肺において潜在的に存在する再生能を制御することが可能となれば、困難とされている肺再生療法の確立につながると考え、本研究計画を立案した。
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研究成果の概要 |
MLE12に伸展刺激(伸展率20%、伸展回数15回/分、12時間)を与えると、細胞増殖能を維持したまま2次元方向への細胞遊走が著しく抑制され、それらの細胞はⅠ型肺胞上皮細胞(AT1)からⅡ型肺胞上皮細胞(AT2)へと性質が転換し、その一部は幹細胞性を有していた。また、伸展刺激を与えることでMLE12の細胞核内における転写因子Xの発現が増加する傾向がみられた。 以上より、成体において人為的にseptationを起こさせるトリガーとして、「物理的過伸展刺激」と「転写因子X」が関係している可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在までに肺再生に関する多くの研究がなされているが、肺再生機序の解明、および有効な肺再生療法の確立は未だ成されていない。今回の研究成果より、肺胞新生のためには「物理的過伸展刺激」が重要な役割を担っている可能性が示唆された。今後、「転写因子X」との関連も含めて更なる検討を行うことで、人為的に肺胞新生を引き起こすことが可能となるかもしれない。 本研究成果が肺再生療法確立への一助となることが期待される。
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