研究課題/領域番号 |
20K17751
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
河北 直也 徳島大学, 病院, 講師 (60522266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 幹細胞 / 再生 / 肺 / iPS細胞 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
気管支肺胞幹細胞(BASCs)は終末細気管支~肺胞領域の幹細胞として,局所の修復に重要な役割を果たしている.iPS細胞からBASCsを誘導することに着目した研究はこれまでになかったことに加えて,われわれはこのiPS細胞誘導BASCsを細胞ソースとして用い,気道内投与することでマウス終末細気管支障害モデルに生着・分化することにはじめて成功している.さらなる細胞治療の可能性を広げるため,投与したBASCsが,保持され,その機能を維持されることが証明することを目的とする.ヒトにおいてはまだBASCsの存在は証明されていないが,その存在が明らかとなった際にも,本研究の結果が貢献できるものと考える.
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研究実績の概要 |
令和5年度はマウス脱細胞肺への細胞移植実験を進めた。犠牲死させたマウスの心肺を一塊に摘出後、右室と気管より0.1% Triton X→Sodium Deoxycholate→30μg/mL DNase+1.3mM MgSO2+2mM CaCl2を注入し作成した。作成肺のHE染色で細胞の脱落と、足場となる膠原線維の残存を確認した。脱細胞肺に未分化iPS細胞を投与する群とiPS分化細胞をSca-1/CD45/CD31でソートして得られたBASCsを2×106細胞として3mlの2%低融点アガロースに37℃で懸濁し、気管より注入した。肺を2mmにスライスしsmall airways growth medium中で、7日培養した。培養肺をHE染色し、生着細胞の確認を行った。未分化iPSの投与群では、肺胞は細気管支に細胞集塊を形成するのみであり、気道や肺胞上皮への分化生着は認めなかった。一方でiPS由来BASCsを投与した群では未分化iPS投与よりも小さい細胞集塊の形成を認めたものの、非常に少数であった。また上皮への生着はほぼ認めず、単層の上皮形成は確認できなかった。免疫染色でも、Club細胞に特徴的なCCSP陽性細胞やⅡ型肺胞上皮細胞に特徴的なSPCが集塊内にごく少数見られるのみで、有意な分化傾向は見られなかった。そのためiPS由来BASCsをソートし、その細胞からオルガノイド作成。オルガノイドを経気管的に投与する実験を進めている。iPS細胞由来BASCSが肺胞上皮の再形成のセルソースとなることが示せれば、再生医療において重要な知見となると考えている。
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