研究課題/領域番号 |
20K17761
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
山道 尭 公益財団法人がん研究会, 有明病院 呼吸器外科, 医員 (10834492)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / 間質性肺炎 / 原発性肺癌 / 術後合併症 / 術前画像診断 / 発癌機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、特発性肺線維症(IPF)合併肺癌の切除標本を用いた遺伝子解析と画像解析を統合し、1) 慢性炎症と肺障害、2) IPFを背景とした発癌機構、3) AEの誘因と発症機序の解明を目指す。「IPF有無」及び「肺癌有無」で対象を分け、腫瘍及び非腫瘍肺のexosomeの抽出を行い、各群における特異的miRNAを同定する。さらに医用画像上の特徴因子・特徴量を集積し、非侵襲的手法によってAEおよび発癌危険群の抽出を試み、その予防へと還元する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的として特発性肺線維症の進行、さらに原発性肺癌の癌化機構双方の共通機構の究明を目指し、画像解析および血液データ、そして長期予後との関連を解析することをテーマとした。そもそも、特発性肺線維症を有している原発性肺癌症例では、治療に伴う合併症が高頻度で起きてしまうことから、治療法選択には難渋し、いずれの治療が最も有効であるのか、実臨床で悩まされる場合が多い。そのような問題の究明にも我々の研究結果がつながる可能性があると考えた。実際に分子レベルでの結果をこの2年間で論文化し世にだすことはできなかったものの、その前研究となる、画像背景データを用いた研究をこの2年間では中心に行い、特発性肺線維症合併肺癌は非合併例と比較して腫瘍の増大速度が速いこと(Yamamichi T, et al. Cancer Treat Res Commun. 2021;29:100446)、また術前画像と比較して採取検体では結果的に肺癌の腫瘍径が増大している、という双方の結果をそれぞれ論文化、学会発表につなげることができた。またさらに特発性肺線維症の進行を含む、原発性肺癌術後の合併症発症例では肺癌自体の長期予後が悪化することについても論文化(Yamamichi T, et al. Surg Today. 2022 Jan 18)することができた。今後は、この2年間で研究結果として得た内容を背景とした、特発性肺線維症の進行を含む術後合併症を予防する目的での、分子レベルでの患者データ評価を加え、予後不良例と予後良好例それぞれの比較を行い、有意な関連因子の評価を目指して研究を継続していきたいと考えている。
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