研究課題/領域番号 |
20K17763
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
濱田 顕 近畿大学, 大学病院, 助教 (80772954)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺癌 / ゲノム / 網羅的生体情報 / VUS / HER2 / HER4 / EGFR / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、EGFR・HER2・MET・ALK・ROS1・BRAFなど肺がんでその活性化が報告されている臨床的意義が不明な遺伝子変異(VUS)に着目し、レトロウイルスによりVUSを導入した人工的な腫瘍細胞モデルを用いてVUS病原性と標的治療薬のスクリーニングを行って臨床的意義を明らかにする。VUSが主要な遺伝子変異と同時に存在すること(Compound mutation)も多いため、VUSと主要な遺伝子変異を同時に導入して、その意義を検討する。本研究は同一遺伝子異常を有する臓器を超えた様々ながん腫に適応できる可能性があり、肺がん以外のがん腫に対しても治療成績の改善に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
前年度までに、LUX-Lung 8 試験(Soriaら、Lancet Oncol 2015)の二次解析(Gossら、JAMA Oncol 2018)で同定された、すべての臨床的意義が不明なHER2、HER4遺伝子変異について、IL-3依存性細胞株である、マウスpro-B細胞株(Ba/F3細胞)に導入し、人工的な腫瘍細胞モデルを作成し、それらを用いて腫瘍原性を検討した。その結果、HER2 E395K変異、G815R変異、R929W変異に腫瘍原性があることを確認し、これらの遺伝子変異に関しては、HER2阻害効果のあるTKIが有効であることを明らかにし、その結果をLung cancer 誌に報告した。本年度は、近年、米国FDAにおいて、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者を対象として特異的に設計された経口治療薬mobocertinib(TAK-788)が、同対象に対する分子標的薬として承認され、当院では過去に、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんモデルに対する、tarloxotinibとpoziotinibの二次耐性機序について解明し、報告している(Nishino, et al.Thoracic Cancer 2021)ことより、先行研究で樹立済みのEGFRエクソン20挿入変異を伴うBa/F3細胞株(V769insASV、D770insSVD、H773insNPH、H773insH、A763insFQEA)を用いて、mobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序を、点突然変異を高率に誘発するENU(N-ethyl-N-nitorosourea)に曝露させることで探索した。その結果、C797S、T790M二次耐性変異の発現頻度が高く、バリアントにより発現頻度が異なることに加え、F856Vという新規耐性変異を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
LUX-Lung 8 試験の二次解析で同定された、すべての臨床的意義が不明なHER2、HER4遺伝子変異について、その腫瘍原性を検討し、IL-3非依存的に増殖した細胞については、予定していたすべてのTKIについて、その感受性の評価を終え、現在はEGFRエクソン20挿入変異に対するmobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序について探索している。
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今後の研究の推進方策 |
EGFRエクソン20挿入変異を伴うBa/F3細胞株(V769insASV、D770insSVD、H773insNPH、H773insH、A763insFQEA)を用いて、mobocertinib(TAK-788)の二次耐性機序を、点突然変異を高率に誘発するENU(N-ethyl-N-nitorosourea)に曝露させることで探索した結果、C797S、T790M二次耐性変異の発現頻度が高いことに加え、F856Vという新規耐性変異を同定した。これらの二次耐性変異を親株のBa/F3細胞株に遺伝子導入し、その腫瘍原性を評価し、mobocertinib(TAK-788)に対する効果を検証する。
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