研究課題/領域番号 |
20K17764
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小原 秀太 近畿大学, 大学病院, 助教 (20813926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | circulating tumor DNA / liquid biopsy / reccurence / surgery / lung cancer / Signatera / CAPP-Seq / NSCLC / Circurating tumor DNA / 肺癌 / 手術 / 再発 / 予後因子 / recurrence / next-generation sequence |
研究開始時の研究の概要 |
手術可能な肺がん患者は最も治癒の可能性が高いにも関わらず、その治療成績は満足すべきものではない。これは臨床的に検出できない微小な残存病巣が存在しているにも関わらず、それに対して有効な治療が行われていないことに起因する。手術可能な肺がん患者において循環血漿中のDNAの癌関連遺伝子異常が微小残存病巣のマーカーとなるかを検討する。臨床病期II期以上の患者70例の内、再発した20例に対し、次世代シーケンサーで解析をおこない、変異遺伝子コピー数の変化と手術、術後アジュバント治療、再発までの時間経過との関係を検討する。この結果に基づき前向きな術後補助療法の臨床試験を立案することを念頭においている。
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研究成果の概要 |
本研究ではCAPP-SeqとSignateraを用いて術後の予後予測やctDNAの状態と画像検査における再発の関係を評価した。 術後すぐの解析(術後中央値9日、範囲2-53日)では5人の患者がctDNA陽性となり全例が再発し、ctDNA陽性は有意に予後不良であった。さらに経過観察中に5人の患者がctDNA陽性となり全例が再発した。また経過観察中に1回でもctDNAが検出されると、有意に予後不良であった。ctDNA陽性の画像検査に対するリードタイム中央値は2.8(0-12.8)カ月であった。ctDNA陰性は予後良好な転帰と関連しており、長期の陰性適中率は83.3%(30/36人)であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍残存病変を検出するためのcirculating tumor DNA(ctDNA)のモニタリングは、様々ながん種において再発予測や薬物療法の個別化などの面でその有用性が示されている。しかし、非小細胞肺がんにおけるその有効性については、十分なデータはない。本研究ではCAPP-SeqやSignateraを用いて術後の予後予測やctDNAの状態と画像検査における再発の関係を評価し,術後の採血ポイントを術後早期だけでなく、6か月毎におこなうことで、術後の予後予測だけでなく、術後再発の早期発見にctDNA解析が有用であることが示された。
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