研究課題/領域番号 |
20K17772
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
仲西 慶太 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80868290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 肺腺癌 / 浸潤性粘液腺癌 / 原発性肺腺癌 / 胸部外科 / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
浸潤性粘液腺癌は肺腺癌の中では比較的稀な組織亜型であり、遠隔転移は少ないが経気道的な肺転移が高頻度で起こるため肉眼的完全切除後も再発率が高く、放射線や殺細胞性抗癌剤による化学療法はほぼ無効であるという際立った特徴がある。再発や転移を有する症例では治療選択肢が殆どないにもかかわらず、その研究は進んでいない。本研究では新たな治療戦略として相応しい免疫チェックポイント阻害剤とがんワクチン療法の併用を視野に入れて、免疫学的微小環境の予後への影響を検討し、前向きに集積した症例において新規がんワクチン療法開発のためのネオアンチゲンを探索することを目的とする。
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研究成果の概要 |
112例を対象に解析を行い、うちinvasive mucinous adenocarcinomaが7例であった。Invasive mucinous群はnon-mucinous群と比較して、有意にsingle nucleotide variantが少なく、PD-L1 TPSスコアが低かった。腫瘍組織の浸潤CD8陽性リンパ球および、CD8陽性/CD39陽性/CD103陽性リンパ球が有意に少ない。さらにFoxP3、ICOS、LAG3、TIGIT、CTLA4などの分子発現が優位で免疫抑制環境が優位となっていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Invasive mucinous adenocarcinomaはより免疫抑制的環境にあり、抗腫瘍免疫が働きにくい分子発現プロファイルが認められたことから、これを解除して抗腫瘍T-cellがより働く環境を作り出すことが治療につながる可能性が示唆された。Invasive mucinous adenocarcinomaに特異的なNeoantigenについては現在解析中であるものの、Invasive mucinous adenocarcinomaに対する免疫治療戦略を構築するうえで重要な基礎データが得られたと考えられる。今後、論文発表を通じて社会的な還元を目指していくつもりである。
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