研究課題/領域番号 |
20K17774
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩井 与幸 筑波大学, 附属病院, クリニカル・フェロー (80865303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 蘇生後脳症 / シロスタゾール / 心肺蘇生 / 脳浮腫 / 血液脳関門 / 心肺停止 / 蘇生後症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
心肺停止蘇生後に起こる脳浮腫・脳障害に対する根本的な治療法は未だ確立されていない。 抗血小板薬であるシロスタゾールは、基礎研究で神経保護作用、アポトーシス抑制作用、サイトカインの放出抑制による抗炎症作用を発揮することが報告されており、マウス脳梗塞モデルにおいて神経保護作用を持つことが示されている。 本研究の目的は、マウス全脳虚血モデルで心肺蘇生後のシロスタゾール投与が脳障害を軽減するか検証し、その機序を解明することである。
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研究実績の概要 |
以下に示すようにマウス心肺停止モデルを用いて蘇生24時間後に、脳の血管内皮蛋白発現量を測定した。 1.イソフルラン麻酔下のマウス(C57BL/6、オス、体重20-30g)に気管内挿管し人工呼吸管理する。2.右内頸静脈からPE-10カテーテルを挿入する(3.の心停止のためのKCL投与、及び蘇生のためのアドレナリン投与に使用する)。3.中心静脈からKCL(0.05ml,0.5M)を注入し心停止を誘発する。心停止時間を8分とする。人工呼吸を再開、アドレナリン0.5ml(16μg/ml)を中心静脈から投与、1分間に300回の心臓マッサージを開始する。通常蘇生開始後3分以内に自己心拍が再開する。蘇生後60分間観察し、1分間に60回以上の自発呼吸を確認したところで抜管する。実験中は直腸温を連続的にモニターする。 麻酔導入の30分前に、前年度の最適投与量であるシロスタゾール60 mg/kg)を経口投与した。対照群には生理食塩水を経口投与した。蘇生48時間後に全身麻酔下に脳を摘出し海馬を分離、血管内皮・血液脳関門保護効果の評価のためにウェスタンブロットを用いてClaudin-5、Occuludin、ZO-1、MMP-9を測定した。 前年度は本研究の主要評価項目である脳浮腫が最大となる蘇生24時間後に、本年度は蛋白発現により時間がかかる可能性を考慮し、蘇生後48時間でサンプルを採取したが、各種蛋白の発現量に群間差は出なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 前年度は蘇生24時間後のサンプルでウェスタンブロットを行ったが群間差は出なかった。蛋白の発現に時間がかかる可能性が考えられ、本年度は蘇生後48時間で行った。 年度の途中でマウスモニターが経年劣化で故障したため、蘇生率が悪化しサンプル採取に時間を要した。またモニターの修理および新しい簡易モニターで安定した結果を得るまでに時間を要した。 ウェスタンブロットおよびRT-PCRを行う計画であったが、追加機器の購入、予備実験・条件検討に想定より時間がかかり、ウェスタンブロットのみ行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行えなかった分の実験を計画通りに進める。 脳浮腫抑制に関連する因子を調べる。 具体的にはRNA-seqを行いシロスタゾールはどこの反応を抑制するのか対照群と比較する。炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6等)をRT-PCRを用いて測定する。
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