研究課題/領域番号 |
20K17781
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
法華 真衣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20803852)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 術後急性腎障害 / 人工心肺 / 心臓血管外科手術 / 溶血 / 遊離ヘモグロビン / 急性腎障害 / ハプトグロビン / 術後腎機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓大血管手術時の人工心肺に伴う溶血は、術後臓器障害に関与している可能性がある。溶血により生じる遊離ヘモグロビンはハプトグロブリン と結合し代謝されるため、 ハプトグロビン製剤投与により術後臓器障害が軽減する可能性がある。本研究は、人工心肺後の臓器障害の予防手段の確立を目的として、遊離ヘモグロビン濃度の増加を認めた時点でハプトグロビン製剤を投与する群と溶血尿を認めた時点で投与する群における、周術期の遊離ヘモグロビン濃度、ハプトグロビン濃度、血清クレアチニン値、腎障害マーカー、メトヘモグロビン濃度の推移および急性腎障害を含めた術後臓器障害の発生に与える影響を検討する単施設無作為化比較試験である。
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研究実績の概要 |
今研究は、心臓大血管手術患者において、遊離ヘモグロビン値が高値となる前にハプトグロビン製剤の投与を行うことで術後急性腎障害の予防が可能であるか否 かを明らかにする事を目的とした単施設無作為比較試験である。 先行研究において、心臓大血管手術中における遊離ヘモグロビンの推移に関しての検討を行っ ており、その結果、遊離ヘモグロビンは人工心肺開始後より徐々に 増加し、溶血による尿の色調変化が現れるより以前の段階で高値となっている事は研究計画 書においても記載している。 研究成果は以下である。 先行研究群において、患者を術後急性腎障害を生じた群と生じなかった群に区別し、両群の術中の遊離ヘモグロビン値の推移、ハプト グロビン値の推移を比較検討し、術後急性腎機能障害を生じた群において、遊離ヘモグロビン値は高く推移し、ハプトグロビン値は低く推移することが判明し た。また、術後急性腎障害のリスクを上昇させる術中の遊離ヘモグロビン値のカットオフ値についても検討し、以上の結果をまとめて論文報告を行った。その 後、臨床研究法のもとで行う無作為化比較試験を計画し、当院での臨床研究推進センター、倫理委員会において承認を受け、2022年2月より研究を開始している。「心臓大血管手術時患者における溶血関連臓器傷害に対するハプトグロビン投与による予防効果に関する無作為化比較試験」としてjRCTへも公表している。 予定する研究期間は3年間であり、現在症例登録を行い、データを収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年2月より無作為化試験を開始しているが、COVID-19感染症の流行のため、研究対象とする定期心臓血管手術患者の症例数が限られていた事もあり予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、臨床研究法のもと当院での臨床研究推進センター、倫理委員会において承認を受け、2022年2月より「心臓大血管手術時患者における溶血関連臓器傷害 に対するハプトグロビン投与による予防効果に関する無作為化比較試験」を開始している。140例を対象としており、現時点で約50例の症例に参加していただいている。今後も年間50例を目標にして研究を進めていく予定としている。
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