研究課題/領域番号 |
20K17783
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神崎 理英子 広島大学, 病院(医), 寄附講座助教 (70751402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 悪性高熱症 / 遺伝子解析 / RYR1 / CACNA1S / 遺伝子スクリーニング / 次世代シークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
悪性高熱症 (Malignant Hyperthermia: MH) は稀ではあるが重篤な麻酔の合併症である.原因遺伝子としてRYR1やCACNA1S の遺伝子変異が指摘されているが,遺伝子変異が見つかる症例は7割ほどでしかない. 今回の研究ではMH患者本人や,その家族を対象とし,次世代シークエンサーを用いてRYR1およびCACNA1S領域の変異のスクリーニングを行う. RYR1およびCACNA1Sに変異を認めない検体については,exome sequenceを行いタンパク質の全てのコーディング領域まで解析範囲を広げて,新規の原因遺伝子の存在について探索を行う.
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研究成果の概要 |
悪性高熱症(malignant hyperthermia: MH)の素因の有無を調べるCICRテストが正常ではない患者8人とCICRテストは行っていないが臨床症状や家族のCICRからMHの素因を持っている可能性が比較的高いと思われるMH患者・家族6人の患者について、次世代シーケンサーを用いて遺伝子スクリーニングを行った。遺伝子の病原性が確定したvariant (多様体)を2サンプルに認め、存在頻度や病原性を評価するプログラムから病的だと判断されたvariantを3サンプルに認めた。これら3サンプルのvariantは機能解析を行い、新規の原因遺伝子か否か順次調査を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究でRYR1およびCACNA1Sの中に病的である可能性の高いvariants(多様体)を3種類認めた。現段階では一般集団での該当遺伝子の存在する割合やbioinformaticsを用いた予測などからの推定なのでMHの原因遺伝子と完全に断定はできないが、今後機能解析を行うことで原因遺伝子だと確定する可能性は高い。筋生検を行わず低侵襲な血液からの遺伝子解析のみでMH素因を診断できる割合は、現在2割前後(当院にあるサンプルを参考にした場合)と低いが、今後、原因遺伝子と確定された遺伝子を少しずつ増やして行くことで、遺伝子解析でMH素因を診断できる割合を高くしていくことができる。
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