研究課題/領域番号 |
20K17797
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
石原 亮太 愛知医科大学, 医学部, 助教 (60786862)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SH-SY5Y細胞 / L型Ca2+チャネル / SH-SY5Y / T型Ca2+チャネル / 低酸素誘導因子 / 脳細胞浮腫保護効 / アストロサイト / アクアポリン / HIF |
研究開始時の研究の概要 |
低温による脳浮腫軽減は明らかであるが、臨床での大規模スタディーでは効果が否定され ることが多い。AQP発現変化が脳低温の 脳保護効果の一翼を担っている可能性が示唆される。本研究では、AQPのknockdownや overexpressionでの脳浮腫や細胞機能への影響を詳細に調べ、続いて34℃程度の軽度低温や 36℃の平温の効果、低酸素負荷プレコンディショニング、 HIF(hypoxia-inducible factor)の発現調節下でのAQP発現機能変化による細胞保護効果を検証する。これらを元に動物モデルを用 いてAQPの機能調節にもとづく新しい脳浮腫治療法確立を目指す。
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研究実績の概要 |
SH-SY5Y細胞に各種濃度のブピバカインを24時間投与したところ、細胞の生存率が濃度依存的に抑制された。さらに、1mMのブピバカインは時間依存的にSH-SY5Y細胞の生存も抑制した。Tetrodotoxin、tetraethylammonium、nifedipine(L型Ca2+チャネル阻害薬)、ω-conotoxin、 SNX-482、ω-agatoxinの単独投与はSH-SY5Y細胞の生存率に影響を示さなかった。同様に、これらのイオンチャネル阻害薬はブピバカイン(1mM)によって誘導された神経細胞死にも影響を及ばなかった。NifedipineはSH-SY5Y細胞の生存やブピバカインの神経細胞毒性作用を影響しなかったことに対して、T型およびL型Ca2+チャネル阻害薬であるmibefradilは濃度依存的にSH-SY5Yの細胞死を誘導したと同時に、ブピバカインによって誘導された神経毒性作用も増強させた。さらに、最近に報告された特異性の高いT型Ca2+チャネル阻害薬であるNNC55-0396を用いてもmibefradil と同様な実験結果が得られた。これらの結果からはSH-SY5Y細胞においてT型Ca2+チャネルはSH-SY5Y細胞の生存に重要な役割を果たし、ブピバカインはT-typeカルシウムチャネルの阻害を介して、神経毒性をもたらす可能性が示唆された。T型Ca2+チャネルはCav3.1、Cav3.2及びCav3.3の3つのサブタイプが存在するが、これからはどのサブタイプがSH-SY5Y細胞の生存及びブピバカインによる誘導された細胞毒性作用に関わっているかを同定する予定である。
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