研究課題/領域番号 |
20K17811
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡田 卓也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70792935)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 生体イメージング / 急性疼痛 / 神経回路 / 大脳皮質体性感覚野 / ホログラフィック顕微鏡 / 機能的結合 / 2光子顕微鏡 / 第一次体性感覚野 / 慢性疼痛 / 視床 / 化学遺伝学的手法 / 疼痛 / in vivo イメージング / 神経細胞活動 |
研究開始時の研究の概要 |
疼痛伝達路の中継点である視床から投射される神経回路を特異的に操作することで、疼痛の発生や維持に関与するか検討すべく、2 光子顕微鏡を用いた生体イメージングによってそのメカニズムを明らかにしようと申請者は考えた。そこで、化学遺伝学的手法を用いて疼痛の慢性化に関与する責任回路を特定し、2 光子励起顕微鏡を用いた生体イメージング法と組み合わせ、慢性疼痛発生および維持期に関与する視床―高次脳領域の神経回路基盤を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
疼痛の慢性化に関与する神経回路基盤の解明のために、まず化学遺伝学的手法により伝達経路と考えられる視床後核から大脳皮質体性感覚野(S1)の経路の活性を特異的に変化させることで疼痛閾値に影響を及ぼすことがわかった。また、任意の細胞を選択して光刺激が出来る2光子ホログラフィック顕微鏡を使用し、各神経細胞間の機能的結合を評価した結果、疼痛急性期では作製前に比較して周囲の応答する神経細胞数が上昇し、疼痛の改善に伴って応答する神経細胞数が低下することがわかった。本研究により、疼痛の病態形成に視床後核からS1の経路が重要であること、また疼痛急性期にS1神経細胞間の機能的結合が強化されることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痛みの形成に視床から感覚野(S1)の経路が重要であることが、化学遺伝学的手法という特殊な手法によって視床から感覚野の経路を活性化させたり抑制させることで痛みの閾値が変化することからわかった。また、任意の神経細胞を選択して刺激が出来る2光子ホログラフィック顕微鏡を使用して、痛みの強い時期に感覚野の神経細胞間の結合が強くなることがわかった。本研究により、痛みが慢性することに重要と考えられる局所の神経回路や神経細胞間の特徴が判明した。
|