研究課題/領域番号 |
20K17813
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大月 幸子 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (90774018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 悪性高熱症 / カルシウム拮抗薬 / CACNA1S |
研究開始時の研究の概要 |
コントロール、RYR1変異あり、CACNA1S変異ありの筋管細胞を用いて実験を行う。カフェイン、クレゾールに対する細胞内Ca2+動態の反応から筋管細胞の性質を確認し、その後、ダントロレン(MHの治療薬)、ニフェジピン(L型Ca2+チャネルのブロッカー)に対する細胞内Ca2+動態を測定する。それにより、RYR1 変異と CACNA1S 変異の骨格筋細胞の Ca2+ 動態に差が見つかる可能性があり、それらを調べることで CACNA1S に変異のある患者を含めたMH 素因者への安全な麻酔方法と有用な併用薬剤の検討を行う。
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研究成果の概要 |
悪性高熱症は骨格筋細胞内のカルシウム濃度が異常上昇することで生じる全身麻酔の致死的な合併症である。今回、カルシウム拮抗薬であるニフェジピンを投与した際の細胞内カルシウム動態を測定した。悪性高熱症の原因遺伝子であるCACNA1SとRYR1変異でその反応を比較する予定であったが、CACNA1S変異のある細胞が一種類しか測定できなかったため、悪性高熱症の素因の有無で結果を比較した。 ニフェジピンの50%効果濃度は悪性高熱症素因あり(n=10)で0.79±0.20μM、素因なし(n=5)で1.32±0.15μMであり(p=0.0013)、悪性高熱症素因骨格筋でより細胞内カルシウム濃度が上昇した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニフェジピンは悪性高熱素因者の骨格筋で優位に細胞内カルシウム濃度を上昇させ、高濃度のニフェジピンでは筋小胞体からのカルシウム漏出が続くことが分かった。このことから、悪性高熱症の素因者では、健常者と比較し、ニフェジピンにより細胞内カルシウム濃度が上昇しやすい可能性が考えられるが、臨床的な血中濃度の範囲内では問題になることはあまりないと考えられた。
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