研究課題/領域番号 |
20K17840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
荒木 寛 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20866272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ボリュームカプノグラム / 肺内シャント / ARDS / COVID-19 / ボリュームカプノグラム分析 |
研究開始時の研究の概要 |
人工呼吸を受けた場合、肺の中には酸素・二酸化炭素を受け渡すことができない部分が生じます。これを肺内シャントと呼びます。肺内シャントがどの程度生じているのかを調べるのはとても難しいことです。今回の研究はブタを用いた研究で、ブタの吐息の二酸化炭素・血液中の二酸化炭素を調べます。この研究で、吐息の二酸化炭素を使って肺内シャントがどの程度生じているのかを簡単に調べられないかを調査します。
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研究実績の概要 |
肺内には含気を有する肺胞と有さない肺胞が混在し、人工呼吸器管理中には含気を有さない肺内が増える。含気のない肺胞に肺血流が存在する場合、ガス交換に与らず、これを肺内シャントと呼ぶ。肺内シャントの多くは無気肺として存在する。無気肺の検出には胸部単純X線写真や超音波が有用であるが、肺内シャントの程度を正確に知ることはできない。加えて、人工呼吸器管理中には肺の状態が刻一刻と変化するため、前出の検査では検査時点での状態のみの把握に留まってしまう。また、近年COVID-19による重症肺炎において肺内シャント率が高い症例は死亡率が高かったという報告もある。COVID-19をはじめとする急性呼吸窮迫症候群の予後改善のため腹臥位療法が有用とされているが、その効果のモニタリング方法としても肺内シャント測定が有用と考えられる。しかし、肺内シャントの正確な測定には肺動脈カテーテルの挿入が必要となり高侵襲である。そのため肺内シャントをより簡易に計測する方法が求められている。 2022年度はボリュームカプノグラムを用いた肺内シャントの計測方法を確立するため、ブタを人工呼吸器管理とし、スワンガンツカテーテルを用いた肺動脈の混合静脈血と、肺静脈からの採血により肺内シャント計測し、ボリュームカプノグラムによる計測方法との比較を検討する計画した。ボリュームカプノグラムを使用することで理論的には肺内シャントを連続的に測定することが可能と考える。ボリュームカプノグラムを用いた肺内シャント測定のために肺胞内の二酸化炭素分圧(PACO2)を算出する必要があるが、FletcherらやTangらが示したPACO2は不正確な可能性が高いとTsukakoshiは報告しており、新たな定義を用いたPACO2測定による肺内シャント測定を目指した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論上、演算により肺内シャントを求められる予定であったが、理論そのものの脆弱性が指摘されたため新たな演算式を用いた研究を必要としたから。理論の脆弱性については後述している。
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今後の研究の推進方策 |
CO2 mass balanceを応用したボリュームカプノグラムを用いた肺内シャント測定(定義:(動脈血二酸化炭素分圧-肺胞内二酸化炭素分圧)/(混合静脈血二酸化炭素分圧-肺胞内二酸化炭素分圧))のために肺胞内二酸化炭素分圧PACO2を算出する必要があるが、FletcherらやTangらが示したPACO2は不正確な可能性が高い(この定義だとPACO2<呼気終末二酸化炭素分圧PetCO2となってしまうため。PACO2<PetCO2となった場合、呼気時のガス拡散が気管内→肺胞となってしまう問題点があることと、解剖学的死腔を無視しているという2つの問題点がでてしまう)とTsukakoshiは報告しており、新たな定義を用いたPACO2測定による肺内シャント測定を目指す。
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