研究課題/領域番号 |
20K17842
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉山 洋介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10773054)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 医療用麻薬 / ウェアラブルデバイス / がん性疼痛 / ウェアラブル活動量計 / オピオイド血中濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
オピオイド鎮痛薬の有効性を明らかにすることが本研究の目的である。 世界保健機構(WHO)は、がん性疼痛に対する効果の最終的な目標を日常生活が送れることとしている。しかし現在、がん性疼痛治療の目標は主観的な疼痛スコアの改善にすり替わっている。オピオイド鎮痛薬はがん性疼痛に古くから用いられ、現在でもキードラッグである。 本研究では①日常生活の活動量の変動から疼痛を客観的に数値化。②オピオイドの血中濃度を測定し、科学的な有効性の根拠の検証。③以上の結果から最終的に日常生活を送るための最適なオピオイドの投与量の予測システムを構築し、がん性疼痛に対するオピオイドの真の有効性を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
がん性疼痛のある患者を対象とし、疼痛とオピオイドの血中濃度の関連性および疼痛が心拍数、歩数といった活動量に及ぼす影響を調査した。活動量には腕時計型のアクティビティトラッカーを用いた。 がん性疼痛とオピオイド血中濃度の関連性は弱い相関を確認した。また疼痛と心拍数においても弱い相関を確認した。各症例毎のオピオイドの変動をみると疼痛が中央値よりも低い時と比較して痛みが中央値を超えて増加した時の血中濃度が低下していることが確認された。今後さらに検証を行うことでオピオイド血中濃度、活動量はがん性疼痛を客観的な評価につながる可能性があり、より良好な疼痛コントロールに貢献することが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの痛みは患者のみならず、ケアを行う患者家族にとっても非常に大きな問題である。痛みは患者自身でしか評価できないが、がんの痛みの原因は複合的であり、解決策は医療用麻薬のみではない。しかし、痛みが増悪した場合は患者の主観的な訴えしか評価ができず、訴えに応じて医療用麻薬が投与される。その一方で不要な投与や増量は副作用の発生頻度を高める。今回の我々の研究では、がんの痛みを客観的に評価できる可能性を見いだした。今後がんの痛みを客観的に評価することで、早期の鎮痛、過剰な投与に伴う副作用を予防することに貢献できる可能性がある。
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