研究課題/領域番号 |
20K17848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小幡 由美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80410091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 急性腎障害 / 入院期間短縮 / 長期予後改善 / 急性腎障害早期診断 / 診断精度向上 / 腎障害予測 / TAVI / AKI / AS / バイオマーカー / L-FABP |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術は、臓器予備能の低い超高齢者に対して一時的に心停止に近い状態とし弁を留置するため、周術期急性腎障害の頻度が高く、死亡の危険因子になるといわれている。AKIの診断は血清Crと尿量によってされるが、血清Crが上昇するまでに1~2日要する為、診断が遅延するという問題がある。本研究では、AKI早期診断の有用性が報告されている尿中L-FABP、NGALと新規マーカーのClusterin、TIMP2等を組み合せることによってTAVI後AKIの診断精度が向上するかを明らかにする。また、これらのバイオマーカーが、慢性腎臓病へ進行する予測因子となるか調査する。
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研究成果の概要 |
TAVI実施後の腎機能を早期に評価できるバイオマーカーを検討し、尿中L-FABPとClusterinが早期のAKI診断に有用であった。術前尿中L-FABPはAKI発症予測に、術後4時間ClusterinはAKI早期診断に有用であり、術前の推算糸球体濾過量(eGFR)と組み合わせることで特異度が上昇し診断精度が上昇する、という研究結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦は、世界有数の長寿国のため平均寿命は年々延びており、高齢者増加に伴い開心術に耐術能のないAS患者が増加している。TAVIは低侵襲な血管内治療であり今後増加すると考える。TAVIが適応となる患者は、開心術に耐術能がない高リスク患者となるため、術後AKIは4~30%と報告されている。近年、本邦では透析人口が増えており、AKIによって入院が延長することを考慮すると、腎機能障害患者の医療費に占める割合はさらに増加することが予想される。AKIの早期診断により、早期介入が可能となれば、AKIから腎不全への進行を回避できる可能性がある。
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