研究課題
若手研究
手術後に患者がICUへ入室すると、環境変化、睡眠サイクルの乱れが引き起こされ、術後せん妄発生率が上昇する。いったんせん妄を発症すると患者の死亡率の上昇など予後悪化につながる。 本研究では、ICUで行える環境改善の現実的限界を、没入型VRの強力な仮想現実感で乗り越えることを目指す。VRのストレス軽減効果が、術後ICU患者で認める睡眠障害(量と質の低下)を改善し、術後せん妄の発症を予防することを臨床研究で検証することを目的とする。
ICUに入室する患者の32.3%は、入室中に原疾患とその治療の影響でICUせん妄に苦しんでいるといわれる。ひとたび,せん妄が起きるとICU滞在時間も延長して死亡率も上昇する。しかしながらICUせん妄の予防や治療方法は確立していない。仮想現実(VR:Virtual Reality)技術は、患者へのリラックス効果3)やICUでの痛み、睡眠導入効果に有用とされ臨床応用されはじめているが、ICUせん妄への効果はほとんど明らかではない。本研究では外傷後にICUに入室する患者を対象に、VRをもちいてICUせん妄発症を予防できるか検証する。結果1:ICU入室患者を対象に、VRを用いることで外傷患者の痛みを軽減することが可能であった。結果2:また、VR前後の心拍変動解析を行い、VRにより副交感神経を活性化し、リラックス効果を誘導した。以上より、鎮痛作用と副交感神経活性作用によりICUせん妄予防効果が得られると予想された。コロナ禍の影響もありまだ症例数が少ないため、ICUせん妄発生率の改善効果はまだ証明できていないが、今後症例数を増やして検証する。
4: 遅れている
COVID-19患者受け入れに伴う集中治療室の及び救急患者の入室制限により思ったより外傷患者の受け入れ数が少ないため、研究が遅れている。今後コロナ禍解消に伴い外傷患者の受け入れが増えることでプライマリーアウトカムの評価が可能になると考える。現時点でもICUへのコロナ患者受け入れは継続しており十分な外傷患者の症例確保ができていない。
VRの治療効果は鎮痛作用と副交感神経活性化作用の2つがあると予想している。そのため、ICUせん妄発生率をプライマリーアウトカム、セカンダリーアウトカムを鎮痛作用と副交感神経活性化作用にして解析を進めていく。
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