研究課題/領域番号 |
20K17864
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸上 由貴 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50866936)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 衝撃波 / 軽症頭部外傷 / 高次脳機能障害 / 爆傷 / 頭部外傷 |
研究開始時の研究の概要 |
一般市民が巻き込まれるテロが全世界的に起こっており爆傷患者は年々増加している。爆傷は、受傷部の局所だけではなく、血管・神経内分泌系・代謝系・自律神経系・血液脳関門などに影響し様々な全身症状を引き起こすと考えられている。 本研究では、脳実質に肉眼的出血や脳挫傷を認めない衝撃波による軽症頭部外傷ラットモデルにおいて①脳脊髄液中の各種サイトカイン測定、②血液脳関門の評価、③代謝の経時的測定、④血中の各種サイトカイン測定、⑤腸内細菌叢の評価を行い、頭部単独に衝撃波が加わった際に、頭部だけでなく全身にどのような反応が起こるのかを検討し、明らかにする。
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研究成果の概要 |
第一次爆傷である衝撃波を頭部のみに作用させることにより作成した衝撃波軽症頭部外傷ラットモデルを用いて研究を行った。本モデルは、受傷から2週間後にうつ様行動や認知機能障害といった行動学的異常を示す。受傷後3日目、2週間後、6週間後に、本モデルと衝撃音のみを聞かせたコントロール群の脳脊髄液および血清を採取しTNF-αおよびIL-6を測定した。受傷後3日目および2週間後には脳脊髄液および血清で衝撃波群において炎症性サイトカインの上昇を認めた。血清に比較して脳脊髄液では、炎症性サイトカインは高い傾向にあった。6週間後には血清・髄液いずれにおいても炎症性サイトカインは低下していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦地から帰還した兵士が睡眠障害・めまい・記憶障害などを起こすことは欧米では広く認知されており、その一因は爆傷であるとされている。頭部に衝撃波を受けるとたとえ軽症であっても時間が経過してから高次脳機能障害を示すことが報告されており、世界中で研究が進んでいる。爆弾を用いたテロなどにより一般人も受傷する危険性があり、病態の解明を進めることは社会的責務である。 本研究では、衝撃波が脳に与える影響について動物モデルを用いて解析をすすめている。本モデルは衝撃波の範囲が限局していることが特徴であり、衝撃波が全身ではなく局所に与える影響を解明することを目指している。
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