研究課題/領域番号 |
20K17869
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
春名 純平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70867449)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 睡眠 / 敗血症 / メラトニン / せん妄 / 重症患者 / 脳波 / オレキシン |
研究開始時の研究の概要 |
近年,提唱されたPADISガイドラインではPICSでのメンタルヘルス障害には,睡眠障害との関連が示されている.一般に睡眠障害は,不安や抑うつとの関連が示されているが,ICUサバイバーでのメンタルヘルス障害との関連は明らかではない.また,重症患者での睡眠障害に関する研究は十分にされていない.本研究では重症患者での睡眠障害のパターンと睡眠と関連するホルモン動態との関連について明らかにし,重症患者における睡眠障害とメンタルヘルス障害との関連を検討することを目的にしている.本研究により,重症患者での睡眠障害の実態が明らかになることで,PICSの予防や治療介入として睡眠障害を対象とすることが可能となる.
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研究実績の概要 |
重症患者の睡眠脳波を測定するために、ポリソムノグラフィを用いて24時間の睡眠脳波を20名の患者に対して測定した。敗血症患者の睡眠脳波は多くの期間でN2を示しており、REMとN3ステージの欠如、頻回の覚醒を繰り返し、昼夜問わずこれらの睡眠脳波を示ししており、健康人とは大きく異なる睡眠段階を呈することが確認された。対象となった全ての患者において、鎮痛剤薬としてフェンタニルの投与がされており、麻薬性鎮痛薬による影響が懸念された。ミダゾラムやプロポフォールといった鎮静薬の影響やその他の環境的因子によって、重症患者の睡眠が障害されていることも考えられたため、騒音や採光に関する調査も合わせて行い、多方面から睡眠障害に関連する因子を検討している。 重症敗血症患者における睡眠障害の要因を探索するために、敗血症の急性期と回復後の睡眠状態を比較するための調査を追加で行っている。回復後の睡眠障害の要因を検討することによって、ICU退室後のメンタルヘルス障害への影響についての探索にもつながると考えられる。さらに、敗血症の重症度に関しても睡眠障害との関連性が示唆される報告もあり、IL-6やHMGB1などの炎症性サイトカインに関する調査も調査を行うことを検討している。また、引き続き、ICUにおける睡眠障害がICU退室後のせん妄等のメンタルヘルス障害との関連を検討するために、ICDSCなどを用いた追跡調査を実施することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
敗血症患者に対するポリソムノグラフィによる睡眠脳波の測定を継続する。また、メラトニンの行い、重症患者の睡眠段階の変化との関連性について調査を継続する。患者のその後のメンタルヘルス障害として、せん妄をアウトカムに検討を続ける。
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今後の研究の推進方策 |
睡眠障害と液性機構との関連性の検討のために用いるELISAの購入費用。 論文執筆後の英文校正及び投稿費用として研究費を使用する。
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