研究課題/領域番号 |
20K17893
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
舘野 丈太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (50747152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心停止 / 低酸素性虚血性脳損傷 / 脳血管自動調節能 / 近赤外分光法 / 時間依存性共変量 / 脳血管自己調整能 / 近赤外光 / 脳局所酸素飽和度 / 神経予後予測 / 脳低温療法 / 脳神経蘇生 / 脳血流自動調節能 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
心停止蘇生後患者において心拍再開後、その時期により脳循環はリアルタイムに変化し続ける。蘇生後に脳局所酸素飽和度(rSO2)を持続測定することで、脳血管自動調節能(Autoregulation)を評価し、脳循環に基づいた管理目標を明確な形で設定することで、神経予後改善のための治療戦略を開発する。 加えて、蘇生後患者の神経予後予測に関して機械学習の手法を用い、予測モデルが常にブラッシュアップされるシステムを構築する。
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研究成果の概要 |
院外心停止蘇生後患者において、脳血管自動調整能 (CVAR) の評価とその死亡率への影響を調査した。研究は、脳局所酸素飽和度と平均血圧のデータからCVARを算出し、その有無を時間依存性共変量として生存解析を行った。その結果、CVARの未検出時間が長いほど死亡率が有意に上昇することが示された。この知見は、心拍再開後の神経予後予測に役立ち、早期治療の差し控えを回避する助けとなる。また、CVARの維持が患者予後を改善する可能性を示唆し、個別化医療の発展に貢献する可能性がある。さらに、この研究は心停止後の治療管理において、脳循環に基づいたアプローチが重要であることを強調している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果には大きく二つの意義がある。第一に、蘇生後早期の臨床データから死亡率の高いサブグループを特定可能となることで、より強化した治療介入を行うべき集団の特定に役立てることができる。さらに、回復する可能性がある方の早期の治療差し控えを回避することに役立つ可能性がある。第二に、脳循環を適正に保つ集中治療管理を行うことが生命予後の改善を示唆するものであり、脳循環に基づいた全身管理方法を開発することが蘇生後の神経後遺症を減じるブレイクスルーとなる可能性があると考えられる。
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