研究課題/領域番号 |
20K17898
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 浩平 広島大学, 病院(医), 講師 (50526225)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ICU-AW / 集中治療後症候群 / 敗血症 / 動物実験 / ICUAW / PICS / 集中治療 |
研究開始時の研究の概要 |
家兎に肺炎球菌を経鼻吸入し,CIPモデルを新規に確立,月齢で比較検討する.抗菌薬投与と輸液管理に並行し,筋弛緩薬投与・人工呼吸管理・高濃度ブドウ糖投与(高血糖)・連日の拘束ストレスを付加することによりCIP発症の病理学的評価を行う. CIP発症の確定診断は屠殺標本による軸索損傷の有無で評価し,管理過程における神経伝導検査を補助的に評価に加える.特に抗TSPO抗体を用いた免疫染色及びウェスタンブロット解析で,脊髄以遠の神経繊維に対する発現量やTSPO拮抗薬の投与による検討を行う.また,TNF-αなどのサイトカインやEセレクチン,ICAM1といった接着分子をELISAにより血清学的に評価する.
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研究実績の概要 |
昨年度に続きCLP(cecal ligation and puncture)マウスでの実験を継続するとともに,昨年度の実験で得られた知見を基に,敗血症患者の血漿を用いて、ミトコンドリアタンパク質であるトランスロケータープロテイン(TSPO)の測定を行った。敗血症患者では健常者に比べて、血漿中のTSPOが有意に低下しており、血漿TSPOが敗血症診断に有用である可能性を示した。また、この機序の解明の過程で、ミトコンドリア機能障害の指標とされるgrowth differentiation factor 15 (GDF-15)に着目し、ELISA法で敗血症患者の血漿GDF-15を測定した。敗血症合併症の一つである敗血症心筋症を合併した患者の血漿中ではGDF-15が有意に上昇しており、敗血症性心筋症のバイオマーカーになりうることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行に伴い,臨床面での負担が大きく研究にエフォートを割けず,また研究における家兎の管理などについて助言を得る予定の担当者の異 動なども重なった.
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今後の研究の推進方策 |
確立した人工呼吸管理や抗菌薬治療などの介入を行う,より実際の集中治療に則したモデルの確立を目指し,筋肉組織の病理学的評価も並行して進める.またこ れらの知見を家兎へも応用に取り組む.
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