研究課題/領域番号 |
20K17900
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
立岩 浩規 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (90614397)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PICS / ICU-AW / 敗血症関連認知機能障害 / ALA / alpha-lipoic acid |
研究開始時の研究の概要 |
近年、敗血症に対する治療ガイドラインの普及によって、その治療成績は大きく向上し、生命予後も改善している。一方、それに伴い、敗血症治療後の重篤な合併症である筋力低下(ICU-acquired weakness,ICU-AW)および認知機能障害など生存後の様々な合併症が大きな問題となり、QOLに大きな影響を与えている。そこで、今研究によって、合併症の中でも最も重大なICU-AWおよび認知機能障害を薬剤(alpha-lipoic acid)投与によって予防することが出来るかを、ラット敗血症モデルを用いて検討する。
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研究成果の概要 |
近年、敗血症を始めとした重症患者の生存率は大きく改善している。一方で治療後に残存する身体・精神的障害、すなわち集中治療後症候群(PICS)が問題となっている。PICSは筋力低下(ICU-AW)、認知機能障害、精神障害から成る。これに対して様々な予防・治療が検証されているが依然として確固たるものはない。本研究ではPICSに対して薬剤による介入が出来ないか、αリポ酸(ALA)を用いて検証した。その結果。ALAがLPS投与に追随する筋力低下を抑制し、認知機能障害に対してもその要因である脳内炎症を抑制する事が示された。これらの結果からALAがPICSの予防・治療として有効である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集中治療の進歩によって、敗血症を始めとした重症患者の治療成績は大きく向上しているものの、その後の障害、PICSは大きな問題となっており、近年、集中治療領域で注目を集めている。早期リハビリテーションや栄養療法など効果があると考えられているものの依然として確固たる介入方法などは不明である。また実臨床において、こうした身体的介入は重症患者では困難な場面も多い。そこで本研究では薬剤投与によってPICSを予防・治療出来ないか検証し、その有効性を認めた。薬剤投与は重症患者でも容易に行える介入であり、PICSの介入として有用であると考えられる。今後、臨床を含めた更なる研究へ発展させる事が出来る可能性がある。
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