研究課題/領域番号 |
20K17902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 日本医療大学 (2022-2023) 札幌医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
千原 伸也 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (60725597)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CRRT / 希釈法 / CHF / 回路内温度 / 回路冷却 / 血液浄化療法 / 前希釈 / 回路凝固 / 抗凝固剤 / 持続的腎代替療法 / 急性腎障害 |
研究開始時の研究の概要 |
持続的腎代替療法(CRRT)において抗凝固剤は必要不可欠であるが,血液冷却による抗凝固作用を用いた局所冷却法を考案した.この局所冷却法の血液回路/ヘモフィルターの寿命(life-time)の延長効果や抗凝固剤使用量の優位性を証明することで,デバイスや薬剤の使用量が減少するため医療経済的効果も期待できる.
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研究実績の概要 |
【研究の目的】 生体ブタを用いたCRRTの局所冷却法のfilter life-timeの差と各種溶質クリアランスの差の比較検討を目的としていた.しかし,パンデミックにより動物実験が困難となり,パンデミック後も学外の実験は規制されたことにより,方向を変え,ブタ血液を用いたin vitro実験に切り替えた.予備実験として生理食塩水を灌流した実験を行い,前希釈CHFと後希釈CHFの生体内に流入する温度の把握はできた.ブタの血液を用いて本実験に及んだが,ブタの血液の凝固コントロールに難渋しており,ヘパリン,クエン酸,低分子ヘパリン,メシル酸ナファモスタットを用いて実験しているが,ヒト血液と同様にできず,再現性も非常に難しいことが分かった.今後はブタの血液によるCRRTで4-5時間程度で固まるように調整する.抗凝固薬の配合を急務とする. 【今後の実施計画】 ブタの血液5Lに対し,ヘパリン10000U,20000U,30000UでCRRTを施行し,どの程度で回路凝固するか検討する.仮に1-2時間程度で凝固した場合はクエン酸を添加する.CRRTを施行して4-5時間で凝固するように調整ができたことで実験系の確立とする.ブタ血液を用いて,局所冷却のCRRTと一般的なCRRTを同じブタ血液を用いて灌流し(再循環法),filter life-timeを比較検討する.この時予想されるfilter life-timeは局所冷却法で8-9時間,一般的なCRRTで4-5時間であると考える.この実験は少なくとも6回以上検討し,統計的な検定を行う必要がある.当初はサイトカインの測定を行う予定であったが,filter life-timeの検討を最優先し施行する予定である.しかし,電解質やクレアチニンなどの小分子量物質のクリアランスは簡易的に測定できるため,測定項目として加える. また,可能であれば北海道酪農学園大学の協力をえて,生体ブタでの実験の可能性を模索する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルスによるパンデミックで予定していた動物実験ができなくなり,ブタ血液によるin vitro実験に予定を大幅に変更した.購入するブタ血液は細胞死が起きており,すでに固まりやすい状態で抗凝固薬が効かない血液もあるため,適度な抗凝固を模索している状態である.
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今後の研究の推進方策 |
ブタ血液の抗凝固を確立(4-5時間のCRRTで凝固)することが最優先である.
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