研究課題/領域番号 |
20K17904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
伊澤 祥光 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90565699)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 肝背側下大静脈損傷 / IVC損傷 / 静脈還流 / 大動脈遮断バルーン / REBOA / Phase contrast MRI / IVC遮断 / 下大静脈損傷 / 大静脈循環 / 大静脈系血行動態の変化 / 大動脈遮断 / 下大静脈遮断 / 出血性ショック / Phase Contrast MRI |
研究開始時の研究の概要 |
肝背側下大静脈損傷の救命率は非常に低く、これまでの止血方法はいずれも救命率の改善がみられません。このため、大動脈遮断バルーンなどの最近の止血方法を用いた時の大静脈系の血流動態変化を調べることで、有効な止血方法の開発に繋がらないかを調べます。方法としては、全身麻酔下のブタを用いて、MRIによる画像診断を駆使して止血介入時の大静脈系の血行動態変化を解析します。
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研究成果の概要 |
肝背側下大静脈(IVC)損傷の止血で使用される大動脈遮断バルーン(REBOA)やIVC遮断下における大静脈系の血行動態変化を、ブタショックモデルとphase contrast MRIを用いて観察した。REBOAのみの群では、バイタルサインは改善したが静脈還流量はほぼ不変であった。REBOA・IVC遮断併用群では、バイタルサインは改善せず、静脈還流量は極端に減少した。IVC遮断のみ群では切迫心停止を来した。肝背側IVC損傷による一時的止血ではREBOAにより一時的な心停止を回避できるものの静脈還流量の改善には至らない。REBOAに併せて静脈還流量を減少させない治療介入が課題となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで出血性ショックに対して行われるREBOAとIVC遮断を同時に行った場合の大静脈の血行動態変化を観察した研究は殆ど見当たらない。本研究の成果は、大静脈系の止血と循環動態の維持を両立する優れた止血方法を切り開くうえで、その基礎をなす外科的介入時の大静脈循環の変化を解明することに学術的な意味がある。 また、肝背側下大静脈損傷による出血に対して下大静脈クランプやREBOA等の外科的止血介入が行われる際に、大静脈系の血行動態や心拍出量の変化を解明することで、肝背側下大静脈損傷に対する有効な止血方法が開発され患者救命に貢献する可能性がある。
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