研究課題/領域番号 |
20K17905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
柏浦 正広 自治医科大学, 医学部, 講師 (60808856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 血管内治療 / インターベンショナルラジオロジー / 病院救急医療サービス / インターベンショナルラジオグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
IVR-CTを救急室内に設置したハイブリッドERでは、通常の救急初療室と同様に救急蘇生処置を行いながら、患者を移動することなくCT検査からカテーテル治療まで施行でき、安全かつ迅速な救急初期診療が可能である。本研究では、単施設もしくは多施設における急性期脳梗塞を対象として観察研究を実施し、ハイブリッドERによる再灌流までの時間短縮や神経学的予後の改善効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、新型コロナ感染症の流行 により参加施設の募集が滞り、単施設研究へと切り替えた。 2023年12月までの症例を蓄積し、院外発症かつ血管内治療を受けた急性期虚血性脳卒中 83例が対象となった。ハイブリッドERで診療したHER群と、ハイブリッドERを使用しなかった従来群に群別し、主要評価項目を入院30日目の良好な神経学的転帰(修正ランキンスケール 0〜2)、副次評価項目は、病着から穿刺までの時間(D-P time)および、病着から再灌流までの時間(D-R time)とした。結果として50例(60%)がHER群、33例(40%)が従来群だった。血栓溶解療法は56例(68%)に施行された。良好な神経学的転帰はHER群と従来群で有意差はなかった (31 vs 20%、p = 0.32)。しかし、D-P timeはHER群で有意に短く(中央値: 100 vs 131分、p = 0.001)、D-R timeも有意に短縮した (中央値: 163 vs 202分、p = 0.018)。ハイブリッドER を用いた急性期虚血性脳卒中診療では再灌流までの時間が短縮したが、患者の神経学的転帰の改善は示されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は多施設共同観察研究を行う予定だった。しかしながら新型コロナ感染症の流行により、多数の施設で救急初期診療の制限が加わることとなった。そのた め、参加施設の募集が滞り、単施設研究とした。2023年12月までの患者集積を行った。現在解析を終えたところである。
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今後の研究の推進方策 |
すでに解析終了し、研究結果をまとめたところである。今後は国内学会である第27回日本臨床救急医学会総会および国際学会である23rd International Conference on Emergency Medicine (ICEM 2024) にて発表予定である。また現在、英文誌に投稿し査読中の状況であり、学会発表および誌上発表予定を予定している。
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