研究課題/領域番号 |
20K17909
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
森地 振一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (00532269)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 熱性けいれん / ペリサイト / フローサイトメトリー / サイトカイン / 神経炎症 / 血管内皮障害 / てんかん / 血管新生因子 / 血液脳関門 / 小児 |
研究開始時の研究の概要 |
こどもの10人にひとりはけいれんする。熱性けいれんは予後良好とされているが、近年てんかんや認知機能障害との関連が指摘される。一方、脳内炎症伝播における司令塔である「ペリサイト」は血液脳関門のタイトジャンクションを担うが、てんかん原性の発生と密接に関係するとされる。 本研究は、けいれん疾患と「ペリサイト」の関連性を解析する。ヒトにおいて末梢血液中の各種バイオマーカーとそれを産生する細胞について探索し、同定した細胞がペリサイトや血液脳関門に与える影響について追及する。基礎と臨床、中枢と末梢から多角的に熱性けいれんによるてんかん原性の解明に挑む。
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研究実績の概要 |
ペリサイトを中心に,熱性けいれん(FS)によるてんかん原性に対する免疫学的機序の関与を検討し,てんかんや認知機能障害の発症を予測するマーカーを探索する. 本研究は(A)ペリサイトマーカー解析,(B)フローサイトメトリー(FACS),(C)サイトカイン/ケモカインの網羅的解析の3本立てで実験を進めている.昨年度と同様、本年度もFSだけでなく他のけいれん性疾患にも対象を拡大し,特に(B)を中心に行った.FACSを用いて対象疾患の末梢血単核細胞(単球,CD4/CD8T細胞,NK細胞,B細胞,NKT細胞)のLPS刺激によるサイトカインの反応性の違いを検討した.(1)複雑型(重積,群発)FSで発作前後の検体で評価した.結果は発作後に速やかにIL-1βの低下が確認され,細胞内モノサイトがけいれんに密接に関与している可能性が示唆された.(2)てんかん性脳症の代表である,West症候群の各病相の検体で評価した.CD8陽性T細胞であるIL-1β,IL-1受容体拮抗薬(IL1RA)陽性単球,およびIFN-γの割合が,非けいれん群よりも有意に上昇していることが確認された.また急性期と慢性期群で比較すると,IL-1RA,CD4陽性IFNγが慢性期に有意に増加していた.さらに後遺症あり群は,後遺症なし群と比較するとCD8陽性T細胞とCD4陽性T細胞で細胞内IFN-γとIL-6が有意に低下していた.陽性細胞の比率と特定のサイトカインの血清レベルとの間に相関性は確認されなかった.FSおよびWest症候群のけいれん発作の発生機序に,IL-1βを主とした細胞内モノサイトが関与している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ペリサイト・血液脳関門に関連した論文がアクセプトされた.FSは罹患数が多く前方視的に検体を確保できるため,対象数を増やすことができデータの確実性が期待できる.引き続きFS,中枢神経感染症,てんかん性疾患群に対する免疫学的データを集計していく.
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今後の研究の推進方策 |
FSを中心としたけいれん性疾患の症例を集積し,血清/血漿,髄液を用いたペリサイトマーカー解析,フローサイトメトリー,サイトカイン/ケモカイン解析による網羅的プロファイリングを継続する.またin vitro実験を検討しているが,技術面で補強が必要な状況にある.当施設医学総合研究所に所属する技術者の協力も得て進めていく.また学会発表,論文執筆も並行していく.
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