研究課題/領域番号 |
20K17924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平井 希 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10866445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ephrin / glioblastoma / 膠芽腫 / バイオマーカー / ephrin-A2 / glioma / biomarker |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は強い治療抵抗性を示す非常に予後不良な原発性悪性脳腫瘍である。治療抵抗性の原因として高い浸潤能がある。細胞浸潤に関与するチロシンキナーゼファミリーの一つにEph受容体/ephrinリガンドシステムがあり全身の悪性腫瘍においてはEphA2/ephrin-A1システムが最も研究されている。申請者は予備実験の結果から膠芽腫の予後良好因子である可能性が示唆されたephrin-A2に注目した。本研究では膠芽腫細胞およびグリオーマ幹細胞におけるephrin-A2の分子機構を解明しephrin-A2が予後予測因子となり得るか検討することで、膠芽腫のバイオマーカーの確立、治療最適化への足掛かりとしたい。
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研究成果の概要 |
我々はがん細胞の悪性形質に関わっているEphAのリガンドであるephrin-A2に着目し、神経膠腫における発現と予後の関係、およびグリオーマ細胞とグリオーマ幹細胞における機能をin vitro及びin vivoで検討した。 臨床解析及びin vivo実験結果からephrin-A2高発現群ではOSが有意に長く、予後良好因子であった。一方、in vitro実験ではephrin-A2は浸潤促進分子であることが示され、in vivo実験とは一見相反する結果を得た。これらの結果からephrin-A2は生体内においては細胞外微小環境との関係により異なる働きを示す可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では膠芽腫臨床検体を用いた臨床解析及びephrin-A2ノックダウン幹細胞を脳内移植したマウスを用いたin vivo実験ではephrin-A2高発現群において全生存期間の延長を認め、ephrin-A2は予後良好因子である可能性が考えられた。これらの結果は今後、膠芽腫の予後予測に利用可能な新規バイオマーカーの確立につながる可能性がある。 また、現在までにephrin-A2の詳細なメカニズムは他のどの悪性腫瘍でも詳細に検討はされていない。本研究により得られたephrin-A2の分子機構の解明は他の癌腫におけるephrin-A2シグナルの解明へつながる横断的研究へと発展すると考えられる。
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